■さくらももこさんとのコラボ作品も話題に

 最後に紹介したいのが、岡田さんの『お父さんは心配症』と、さくらももこさんの『ちびまる子ちゃん』のコラボ作品だ。両作品はともに『りぼん』で80年代に掲載されていたのだが、作者同士の交流もあったようで、このコラボ企画が実現している。

 ストーリーは、夏休みの宿題の課題を終えるためにまる子がデパートに行くと知り合いの光太郎に偶然会い、一緒に行動してギャグ漫画の世界が展開される……というもの。

 光太郎がエスカレーターに引きずり込まれたり、大蛇に飲まれて溶けかけたりと、相変わらずのハチャメチャ具合が半端ない。また、その光太郎の様子を見ながら目の上におなじみの“3本線”を作り、ドン引きするまる子……と、両作品の特徴もうまく生かされている。

 ちなみにこの漫画には、さくらさんと岡田さんのおまけコラムが掲載されている。掲載にあたり8日間を一緒に過ごしたというほほえましいエピソードが描かれており、2人の仲の良さが垣間見える。

 “伝説の漫画家”と評される岡田さんと、「まる子」という国民的キャラを世に送り出したさくらさんとの夢のようなこのコラボ作品。コミック『お父さんは心配症』4巻に収録されているので、ぜひチェックしてみてほしい。

 

 岡田さんが『りぼん』で活躍していた時のキャッチフレーズは「少女漫画界に咲くドクダミの花」であった。80年代後半の『りぼん』は王道清純派少女漫画が中心であったが、岡田さんの作品はひときわ存在感を放っていたため、強く記憶に残っているという“りぼんっ子”は多いだろう。

 今は「カオス」という言葉が良く使われるが、筆者はこの言葉を聞くたびに岡田さんの作品を思い浮かべてしまう。唯一無二の良質なギャグ漫画を、この機会に読み返してみてはいかがだろうか。

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