■少しずつ闇に飲み込まれていく姿が圧巻! 『ガンニバル』柳楽優弥さん
二宮正明さん原作の『ガンニバル』は、“カニバリズム”という衝撃的なテーマで描かれる物語だ。
とある限界集落に配属された駐在・阿川大悟。彼が配属された「供花村(くげむら)」には耳を疑うような噂があった。なんと、村人が人間を食べているというのだ……。
噂の真相を突き止めるため、村社会に首を突っ込んでいく阿川。そして、彼を待ち受けるのは、驚きに満ちた、予想もできない出来事の数々だった。
2022年に実写ドラマ化された本作で主人公の阿川を演じたのが、実力派俳優の柳楽優弥さんだった。デビュー作から類い稀なる演技力で存在感を放つ柳楽さん。本作では、正義感から真相解明に尽力しつつも、自分自身も徐々に闇にのみこまれ、変化する難しい役どころを演じている。
凶暴で残忍、暴力的なキャラへと変貌していく姿は、まさに圧巻のひとことに尽きる。終盤には「村人より駐在のほうが怖い」なんて感想も寄せられていたが、それほど柳楽さんの振り切った演技は目を引くものがあった。
ヤンキーや半グレの役も多数こなす柳楽さんの経験値と、元来の演技力から生まれた実写版・阿川は、原作ファンをもうならせている。
今回ご紹介した俳優たちは、実力派として知られ高い演技力を有する。キャラを自身に落とし込む力が優れているからこそ、普段の印象を覆す演技ができるのだろう。「エンドロールを見るまで気づかなかった」という声があがるほど、彼らの怪演に驚かされた人も少なくない。
しかしこうして作品を振り返ると、“一番怖いのは生きている人間”なんて言葉が浮かんでくる作品ばかりだった……。