『ミュージアム』妻夫木聡に『不能犯』松坂桃李も…サスペンス漫画の実写化作品で“残忍で冷酷なキャラ”がハマっていた俳優たちの画像
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 サスペンス作品において、ゾクッっとする怪演を見せてくれる俳優たち。普段は甘いマスクでファンをメロメロにしている彼らは、演技力の高さからさまざまな役柄をこなしている。なかには、目を覆いたくなるような残忍で冷酷なキャラを演じることも……。そこで今回は、漫画実写化作品でイケメン俳優が演じた“怖すぎる”キャラをご紹介していこう。

■スキンヘッドの異様な姿にゾクリ…『ミュージアム』妻夫木聡さん

 巴亮介さん原作の漫画『ミュージアム』は、カエルのマスクをかぶった猟奇殺人鬼・カエル男と彼を追う刑事・沢村久志の姿を描いたサスペンス作品だ。2016年に実写映画化された本作は、主人公の沢村を小栗旬さんが演じ、渋い演技を見せている。

 そして小栗さんと対峙する殺人鬼役には、妻夫木聡さんが抜擢された。カエルのマスクを身につけフードをかぶった姿で登場するカエル男だが、その素顔は恐ろしい形相だった。

 スキンヘッドで眉なし、鋭い眼光……と、普段の妻夫木さんからは想像もつかない姿になっているのだ。知らずに見れば、妻夫木さんだと気づくことはできないだろう……。

 自身を“アーティスト”と名乗り、快楽殺人を繰り返すカエル男。雨のなか犯行におよぶことから、小栗さんとの攻防も降りしきる雨のなか繰り広げられている。泥だらけになりながらもカエル男を追う小栗さんにはハラハラさせられた。

 そしてなにより恐ろしかったのが、超人的な身体能力で小栗さんを追い詰めるカエル男こと妻夫木さんだ。監督から体をきたえるように指示された妻夫木さんは、4カ月間、週3回ジムに通って役作りをおこなったという。

 成人男性を片腕で持ち上げるなど、鍛え上げられた腕で臨む迫力のあるアクションは、カエル男の残忍さをより演出していたように思う。さらに、待ち受ける驚愕のラストシーン……。『るろうに剣心』を手がけたことで知られる大友啓史監督の見せる映像の素晴らしさも併せて、必見の作品だ。

■心を奪われるような美しい視線が怖すぎる…『不能犯』松坂桃李さん

 原作:宮月新さん、漫画:神崎裕也さんの『不能犯』は、マインドコントロールによって数々の殺人行為を繰り返す“不能犯”を描いた作品だ。精神的に支配や誘導していく手口から彼の犯行を実証することができず、刑事たちは頭を悩ませていく。事情聴取までしても逮捕できないというのだから、その恐怖は稀代だった。

 本作が実写映画化されたのは2018年。主人公である“不能犯”こと宇相吹正(うそぶき・ただし)を演じたのは松坂桃李さんだ。松坂さんといえば、『スーパー戦隊シリーズ』出身のヒーロー俳優として知られているが、本作で演じたのはさしずめ“ダークヒーロー”だった。

 依頼人から依頼を受け、殺人を遂行する宇相吹。彼の所業は果たして正義なのか、悪なのか……考えさせられる作品だった。

 黒いスーツに身を包み、ニヤリと口角を吊り上げる松坂さんの姿には思わず背筋がこおる。長い前髪から片目をのぞかせ、綺麗な目元が印象的な宇相吹。不思議な色の瞳に思わず吸い込まれてしまいそうになったのは、筆者だけではないはずだ。

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