一年戦争を戦ったアムロ・レイが15歳、シャア・アズナブルが20歳と、『ガンダム』シリーズは登場するキャラの若さに驚かされることが多い。ブライト・ノアにいたっては、なんと19歳。貫禄ありすぎだろう。もちろんそれは本シリーズの強く美しく、そして恐ろしい女性キャラたちにも言えることだ。
そこで今回は、ガンダムシリーズのとくに驚きが大きかった女性キャラの年齢設定を紹介していく。もしかすると男性キャラより女性キャラのほうが、ビックリ度は大きいかもしれない?
■ピンク髪も美しいカリスマ指導者「ハマーン・カーン」
はじめに『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダムZZ』に登場したハマーン・カーンから紹介したい。
ピンク髪も美しいハマーンは、ミネバ・ラオ・ザビの摂政としてジオン公国残党をまとめあげ、アクシズ、そしてのちのネオ・ジオンの実質的な指導者であり、“ガンダムシリーズ屈指のカリスマ女性キャラ”である。
『機動戦士Zガンダム』で初登場し、『機動戦士ガンダムZZ』最終話では、ジュドーと壮絶な一騎討ちの末、ラスボスとして堂々たる最期をとげた。この間、彼女は20歳から22歳。日本人の一般的な感覚でいうと、大学生にあたるだろうか、学業や恋愛にバイトと学生生活を満喫しているときである。
『Z』第47話「宇宙(そら)の渦」では、本作の主人公、カミーユ・ビダンとニュータイプ同士の戦いになり、相手の記憶をも見るカミーユに対して「恥を知れ! 俗物!」という貫禄ある名言を残している。
また『ZZ』第22話「ジュドー、出撃!!」では、艦隊の前で見事な演説を披露したハマーン。ネオ・ジオンの兵士たちは「ネオ・ジオン万歳! ハマーン様万歳!」と、大合唱となっていた。戦争を生きるカリスマ的指導者に、性別や年齢は関係ないということだろう。
■ザビ家の長女、貫禄たっぷりの女傑「キシリア・ザビ」
ハマーンも非常に貫禄のある女性キャラだったが、“貫禄のある女性キャラ”の元祖はやはり『機動戦士ガンダム』に登場したキシリア・ザビではないだろうか。
ザビ家の長女で階級は少将、頭脳明晰で野心家の彼女は、将官用ヘルメットとマスクをしている印象が強いが、それを脱ぐと髪型とこけた頬のせいか一層貫禄が増す。
第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」では、父を殺した兄のギレンを「意外と兄上も甘いようで」と撃ち殺し、その野心を爆発させた。残念ながらギレンほどのカリスマ性がなく軍部を完全に掌握できずにジオン軍敗北の一因を招いたが、総じて有能な司令官であったことは間違いないだろう。
また、出生を知ったシャアさえ自らの懐刀に据えるなど器の大きさもあったが、最終話「脱出」では戦場から脱出を図ろうとしていたところを、そのシャアに射殺され生涯を閉じる。このときのキシリアは24歳。一般的には、社会人2、3年目の年だったのが驚きだ。
ちなみにアムロの初恋の人、マチルダ・アジャンもキシリアと同じ24歳。両人とも大人な女性だが、なかなか対照的な二人である。