■復活は超人の誉? 『キン肉マン』ロビンマスク

 ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)が手掛ける『キン肉マン』では超人がよく死んだり生き返ったりする。復活が珍しくない世界観にもかかわらず、なおインパクトある死亡と復活をくり返しているのがロビンマスクだ。

 記念すべき(?)1回目は“7人の悪魔超人”のひとり、アトランティスとの戦いだ。実力では優位だったものの、ミートの体を利用した作戦を前に敗れ、初の死を遂げる。のちに改心したバッファローマンから命を分け与えられ、復活した。

 その後もロビンマスクは死と蘇生をくり返す。黄金のマスクをめぐる戦いのなかでおこなわれたキン肉マンVSプラネットマンでは人質にされ、一度はほかの正義超人もろとも殺されている。自分が戦わない試合でも死ぬとは……。

 筆者が印象深いロビンマスクの死は、キン肉星王位争奪戦でのマンモスマン戦だ。7800万パワーを誇る強大なマンモスマンを華麗な連続攻撃で撃破するも、超人預言書の焼失に伴いこの世からいなくなってしまうのだ。

 戦いに勝ったのに消えていくロビンマスクがなんともやるせない……。もっとも、のちにキン肉マンのフェイス・フラッシュでまた蘇るのだが。

 間違いなく正義超人屈指の実力を持つ、ロビンマスク。それにもかかわらず、たくさん死んでそのたびに生き返るおかしさもまた、彼の魅力といえるかもしれない。

 

 同じキャラが何度も死の淵から生還すると「生きていたのか!」という感動がやがて「こいつ不死身なのか……?」という困惑に変わる。その困惑すら乗り越えた時、そのキャラはいろいろな意味で愛される不死身キャラとなるのだ。

「推しが死んだ」ならぬ「推しが生き返った」を何度も楽しめるのは、不死身キャラならではの特権といえるだろう。

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