ミスターカーメンやモーターマンも『キン肉マン』完全に“かませ犬”だった…不遇すぎる負け方をした超人たちの画像
『キン肉マン』Vol.1 [DVD](東映)

「次鋒 レオパルドンいきます!!」このセリフの0.9秒後に倒されてしまったレオパルドン。『キン肉マン』シリーズ最短時間で倒されてしまった彼は、対戦相手のマンモスマンの強さを際立たせた“かませ犬”キャラだった。

 ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)の『キン肉マン』には、レオパルドのほかにも“かませ犬”キャラと言うべき不遇過ぎる負け方をした超人たちが多くいる。そこで今回は、そのなかでもとくに不遇だった超人3選を紹介する。

■悪魔超人軍団で最も不遇な超人 「ミスターカーメン」

「7人の悪魔超人編」悪魔超人軍団VSアイドル超人軍団の対抗戦で登場したミスターカーメンは、“悪魔超人軍団で最も不遇な超人”と言っても過言ではない。

 古代エジプトのファラオの姿を思わせるミスターカーメンは、バラバラになってしまったミートの左足を賭けブロッケンJr.と対戦。試合はミスターカーメンが優勢で進み、そして腰布で包み込みストローを突き刺して水分を吸いミイラにしてしまう必殺技“ミイラパッケージ”で勝負を決めようとしていた。

 しかし、コミックス第11巻「怪超人!!の巻」で、乱入してきた謎の救世主(モンゴルマン)の“レッグ・ラリアート”を喰らいKO、そして絶命する。このKO劇は、正体不明だったモンゴルマンの圧倒的強さを際立たせ、視聴者の関心を引く完全な“かませ犬”だった。しかも判定はブロッケンJr.の勝利となっており、残虐な悪魔超人とはいえなかなか可哀そうな扱いだ。

 その後も、ミスターカーメンの不遇は続く。「夢の超人タッグ編」で怨霊として復活したミスターカーメンは、とくに目立った活躍もないままマッスル・ブラザーズの“マッスル・ローリング”で祓われる。

 さらに「完璧超人始祖編」ではクラッシュマンと対戦、今度こそ“ミイラパッケージ”を決めようとするが、水分ではなく色々な部品を吸い込んでしまい逆にダメージを負い、最期は“アイアングローブ”でまたも絶命……。3回の登場の結果が、“2死亡1除霊”と散々な結果のミスターカーメンだった。

■わずか37秒…王位争奪戦最短での敗北? 「モーターマン」

 次は、「キン肉星王位争奪編」で登場したモーターマンを紹介しよう。

 モーターマンは、キン肉マンゼブラが率いるゼブラチームの四天王の1人で、ドリルの頭に乾電池の手足とモーターのボディを持った超人。ステカセキングやミスター・VTRなどいわゆるイロモノ系レスラーの位置づけながら、見た目は筋肉質でなかなか強そうではあった。

 しかしその実は、バイクマンの充電役としてチーム入りし、それ以外の役目はあまりない弱小超人。実際試合でも、大怪我を負いフラフラ状態のテリーマンと五分五分の戦いをしていた。

 コミックス27巻「ふたりのバイクマンの巻」での試合では助太刀に駆けつけたラーメンマンと戦うが、ドリル・ア・ホール・スパークを何度か繰り出すも、結局はキャメル・クラッチで上半身と下半身に引き裂かれ、内臓の部品パーツをばら撒いて敗北&絶命した。

 ヘル・ミッショネルズ戦以降、目立った活躍がなかったラーメンだったが、モーターマンのおかげで完全復活を視聴者たちに印象付けることができた。悲しき“かませ犬”だったが、その役割は十分に果たせただろう……。

 ちなみに、この試合はわずか37秒での試合決着で王位争奪戦最短と実況されていたが、冒頭で紹介したマンモスマン対レオパルドン戦の方が0.9秒で明らかに短い。

 のちにレオパルドンのほうは、“試合開始のゴングが鳴っておらずノーカンとなっていた”と辻褄を合わせるかのように説明があったが、そのあたりのいい加減さからも、モーターマンとレオパルドン両方に不遇さを感じてしまう。

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