特撮作品にはあっという間に出演を終えてしまう“名もなき役”で、意外な名俳優が出演していることもある。デビューまもない時期に出演していた彼らの初々しい姿は、今となっては貴重なものだろう。今回は、そんな意外な“名もなき役”で特撮作品に出演していた俳優たちをご紹介していこう。
■圧巻の存在感! 『ゴジラVSビオランテ』鈴木京香さん
1989年に公開された映画『ゴジラVSビオランテ』。日本を代表する『ゴジラ』シリーズの第17作目にあたる本作は、“VSシリーズ”であるものの、ゴジラと人間との戦いを描いた作品としても知られている。
そんな本作で、自衛隊がゴジラ対策専用機として使用した「スーパーX2」のオペレーター・河井弘美として登場していたのが、女優の鈴木京香さんだ。
当時21歳だった鈴木さん。同年7月に公開された映画『愛と平成の色男』で女優デビューを果たしたばかりだったが、作中では圧倒的なオーラを放っていた。どんなシーンでも埋もれない美しさが、駆け出し時代からあったのだろう。
その後、1991年、NHKの連続テレビ小説『君の名は』でヒロインに抜擢されたのちの活躍は、言うまでもない。
ちなみに鈴木さんと同じく「スーパーX2」のオペレーター役として、1982年ごろからさまざまなドラマや映画に出演をはじめた若き日の豊原功補さんも出演している。あらためて考えると、豪華すぎるオペレーター役のキャスト陣だった。
■“水どう”メンバーが揃い踏み!『ガメラ2 レギオン襲来』大泉洋さん&安田顕さん
1996年に公開された『ガメラ2 レギオン襲来』は、“平成ガメラシリーズ”の2作目にあたり、宇宙から飛来した怪獣・レギオンとガメラとの戦いを描いた作品だ。
『ガメラ』シリーズのなかでもとくに人気の高い本作にも、豪華すぎる“ちょい役”が登場する。それが、いまや俳優だけでなく司会や歌手としても大活躍の大泉洋さんだ。
レギオンから生み出された“ソルジャーレギオン”に襲われた地下鉄内で、逃げ惑う人々。そのうちの1人が大泉さんだった。電気の切れた車内で、混乱する人々の波のなかに登場しているのだが、乗客の1人として溶け込んでいるため、見つけるのは至難の業かもしれない……。
そして本作には、安田顕さんも登場している。安田さんは冒頭のシーンで隕石の落下を告げる自衛隊員を演じており、大泉さんよりもはっきりと認識することができる。とはいえ、名もなき役であることに変わりなく、意識して見てみないと気づくことはできないだろう。
ちなみに、この『ガメラ2 レギオン襲来』は北海道が舞台であったことが関係し、北海道テレビの『水曜どうでしょう』でおなじみの大泉さん、安田さんが出演することになったという。また、同じ“水どう”メンバーとして欠かせないミスターこと鈴井貴之さんも、避難命令を告げる市役所の職員として登場している。ぜひ、探してみてほしい。