1979年から放映がはじまった『機動戦士ガンダム』シリーズは、令和になった今でもTVシリーズや劇場版、オリジナルビデオアニメなどさまざまな制作がされている人気作品だ。コアなファンでなくても、誰しも一度はその名前を聞いたことがあるだろう。
しかし『ガンダム』シリーズは全体的に男性ファンが多く、とくに若い世代の女性があらためて見るきっかけは少ないように思う。そこで今回、19歳女子大生の娘に『機動戦士ガンダム』を見せてみることにした。平成生まれのZ世代は、『ガンダム』を見てどう思うのだろうか……?
■「なんで?」の連続、タイトルやCMの効果音に驚きを隠せない…
今回、娘にはエピソード5まで見てもらったのだが、初回から「なんで?」の質問ばかり受けた。
本作ではオープニングで、“人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって既に半世紀が過ぎていた〜宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り地球連邦政府に独立戦争を挑んできた”といったナレーションが入る。そこで「なんで人類同士が戦ってるの? 宇宙人じゃないの?」との質問が。初ガンダムの娘は、どうやら“人間”対“地球外生物”との対戦を描いたストーリーだと思っていたらしい。
また、初回から次々現れる登場人物に対し「この人は子どもなの?」「そもそも、今、どこにいるの?」など、質問が止まらない。かくいう筆者も、実はガンダムの知識はほぼない。そのため「とりあえず見ていれば分かるよ」と言って、見続けた。
娘が言うには、初回からどんどん登場人物が出てきて分かりにくいそうだ。今のZ世代はYouTubeやInstagramなどでシンプルな娯楽を楽しんでいるからか、次々に登場人物が出てくるストーリーは理解しにくいのかもしれない。
そして娘になぜかウケていたのが、オープニングのタイトルとCMのときに入る効果音である。とくに「シャァ!」(!?)といった効果音には、「なに、この音!?」と、笑いが止まらない。
思えば昭和の時代は『ガンダム』だけでなく、多くのアニメやドラマでこのような効果音が使われていたっけ……。なぜかZ世代には、これがツボにハマったようだ。
■古いのか新しいのか分からない世界感…お気に入りのキャラは?
ガンダムを見続けるうちに娘がつぶやいた。「未来の話なんだろうけど、なんか古いんだよね」と。
たとえば敵のモビルスーツが建物内に侵入する際、つまみをひねってドアを開けるシーンがあった。「いまじゃ虹彩認証とかでドア開くのに。空飛ぶロボットがつまみをひねるって……?」とのツッコミが。
また、逃げ惑う人々の洋服が同じだとか、デザインの古い車なのに時速300kmくらい出てるとか、冷静な視点でのツッコミが次々に入る。(それは『ガンダム』だからではなく、昭和のアニメ技術が理由だろうと思うが……)
見ているうちに、ガンダム屈指の人気キャラクター、シャア・アズナブルが登場した。娘は「なんでコスプレしているの?」「まあでも、いかにも敵って感じで分かりやすくていいね!」と。ただ、なぜシャアが執拗にアムロたちを攻撃するのか分からないと首をひねっていた。
5話まで見てどのキャラクターが好きか聞いたところ、「あのボールみたいなウサギ、生きてて良かった」と、ハロを好きだという。どの時代も、アニメに登場する癒しの動物系キャラクターは、人の心をキャッチするのだろう。