■砂漠の真ん中に置き去りにされた弟
最後はジャギの卑劣な逆恨みによって死んでしまった「アキ」という少年だ。アキには足の不自由な「マコ」という兄がいるが、あるときジャギの部下にぶつかって殺されそうになった兄をかばい、自分の足を差し出そうとする。
それを見た老人が「よくできた弟なんです」とかばうが、その言葉がジャギは気に食わぬもので、アキの髪を掴んで連行してしまうのだった。そしてアキは足に鎖と大きな石の足枷をつけられ、砂漠のど真ん中に捨て去られてしまったのだった。
必死に元の村を目指して歩き続けたアキだったが、ケンシロウの前で力尽きてしまう。ケンシロウはそのままアキの亡骸を抱えて村へ向かうが、ケンシロウがアキを殺したと、マコに恨まれる。あまりにも理不尽な流れだ……。
しかし、それがアニメではアキが力尽きる前に助けられ、マコと無事に再会することができているのだ。これは良い意味での差し替えであり、見ていても違和感がない。
もしも、あのままアキが死ぬ形でアニメで放映された場合、他の2人と比べても苦情が殺到しそうな内容だ。「子どもに虐待をして殺すなんてとんでもない!」そんな声が聞こえてきそうなほど惨たらしいものだった。
『北斗の拳』のアニメでは、原作とは違う結末になっている子どもたちがいる。細かい配慮からの改変であるかもしれないが、いずれも救いのあるものばかり。是非、アニメと原作を見比べてみてはいかがだろうか?