漫画では残酷な最期でもアニメでは違う結末が…『北斗の拳』ケンシロウに助けられて「実は死ななかった」子どもたちの画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳』新装版第1巻(コアコミックス)

 2023年9月で『週刊少年ジャンプ』での連載開始から40周年を迎えた武論尊氏、原哲夫氏による漫画『北斗の拳』。当時の原作つきテレビアニメでは珍しくないことだが、翌1984年10月から放送されたアニメ『北斗の拳』では、原作漫画にはないアニメオリジナルの要素がふんだんに盛り込まれた作品でもあった。

 オリジナルの技やオリジナルキャラの登場などなど、いずれもインパクトがありファンの間で語り草となっているが、死ぬはずの子どもたちが生きているというのもアニメ『北斗の拳』の重要なポイントだろう。今回は、ケンシロウに助けられて「実は死ななかった」子どもたちを原作と比較して紹介していきたい。

■アミバの「まちがったかな」の被害に遭った少年

 まずは、両親によってアミバのいる奇跡の村に連れて行かれた少年「ユウ」からだ。ユウは、謎の熱病に掛かり手の施しようがなくなってしまい、彼の両親がどんな病気でも治る奇跡の村の噂を聞きつけ、トキに成りすましたアミバの元を訪れる。

 だが、アミバがユウの容態を見て秘孔をつくとユウは気絶。「三時間もすれば目をさます!」とアミバは話すが、ユウは目覚めることはなく、そのまま命を落としてしまったのだった。アミバによる「まちがったかな…」が炸裂したのだ。

 トキの名を語り悪事を働くアミバは、その後ケンシロウによって成敗されることになるが、アニメでは内容がかなり違う。

 ユウは砂漠の中を旅するキャラバン隊のひとりとして登場し、行き倒れたリンを助けている。この時点で設定そのものがかなり違う。そこから、ユウは熱病に掛かってしまい、両親とリンに連れられて奇跡の村にたどり着くという流れだ。アミバに秘孔を突かれてしまうところは一緒だが、肝心な場面ではケンシロウが間に合い、正確な秘孔を突いてユウを助けていた。

 原作ではアミバの非道さを演出するため、あっさりと命を落としてしまうユウだが、アニメではしっかりと肉付けされているのだ。

■間一髪間に合ったケンシロウの解毒の秘孔

 次はシュウたちレジスタンスに匿われている「リョウ」という子どものエピソードだ。レジスタンスは、サウザーの部下である聖帝部隊から食料を奪うことに成功し、それをアジトに持ち帰り喜んでいた。しかし、腹をすかせているリョウに向かって父親がパンをさしだすと、それを口にしたあと倒れてしまう。パンの中には毒が入っていて、聖帝部隊はわざとレジスタンスにそれを食べさせて殺すことを目的としていたのだ。

 父親はリョウに吐き出させようとするも間に合わず、そのままリョウは息を引き取ってしまう。空腹から毒死という何とも救いのない結末だった。

 それがアニメでは、ケンシロウが秘孔を突くことによってリョウの解毒に成功しているのだ。北斗神拳が解毒に使われるのはこれが初めてのシーンで、まさに万能。

 同じシュウたちに従う子どもたちでも、シュウの息子であるシバはアニメであっても原作通りに死んでしまうため、こちらも生かしてほしいと思った視聴者もいたと思う。シュウ親子の末路は悲惨でしかないので、どこかに救いがあってもいいだろう。

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