■センサーを避ける偵察機
ミノフスキー粒子に対応するくらい強力なセンサーを付けるか、ミノフスキー粒子技術に同じくミノフスキー粒子技術をぶつけるかという技術的発展を遂げた『ガンダム』シリーズの世界。だが、センサーを避けることで、偵察任務を有利にこなす機体が存在する。
それが『機動戦士ガンダム』第30話で初登場した「アッガイ」である。アッガイは、元々は偵察機ではないが、出力が低いという性質上、熱センサーに引っかかりづらい機体だ。なので、それを利用して、偵察任務に使われることが、しばしばあった。また、ステルス性を重視しているため、特殊な塗料でコーティングすることで、電波や赤外線を吸収することもできる。
『機動戦士Zガンダム』に登場したジュピトリスの試作型偵察用モビルスーツ「ボリノーク・サマーン」は、高性能センサーや電磁シールドの他、情報処理能力によって索敵能力を高めている機体だ。実測されたさまざまなデータから、周りの機体の行動パターンを分析。そして、そのデータを僚機と共有することができる。センサーの性能強化や、センサーを避けるのとは、また違ったアプローチの索敵能力と言えるだろう。
モビルスーツの機動力や、ビーム兵器の出力でのバトルが目立つ中、偵察用モビルスーツに目を向けてみると、ミノフスキー粒子技術とセンサー技術もまた、熱いバトルを繰り広げているのが分かる。そういった、裏を見る楽しみ方も、『ガンダム』シリーズの魅力だ。