1968年に『少年ジャンプ』として創刊以来、老若男女から愛されてきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)。少年漫画といえば、ジャンプ連載の作品を思い浮かべる人も多いだろう。
それほど万人に親しまれているジャンプだが意外と知らない歴史も多い。たとえば『ジャンプ』といえば月曜日に発売され、いの一番に読むことで一週間の活力にするという人も多いだろうが、もともと創刊当時(当時は隔週発売)は木曜日に発売されていた雑誌だ。
ちなみに同じく少年漫画雑誌である『週刊少年サンデー』は名前に反してこれまで日曜日に発売されていたという歴史はなく、誌名の由来は「日曜日のように楽しい気分に浸れるように」と初代編集長が考案したのだという。サンデーは当初は火曜日の発売で、現在は毎週水曜日に発行されている。
今回は、普段何気なく手にしている『ジャンプ』に隠されたトリビアを紹介したい。
■ジャンプの「海賊」に名前がついたのは最近
『ジャンプ』の表紙に毎回こっそり描かれているシンボルマークの海賊マークは長らく「ジャンプパイレーツ」という通称で呼ばれていたが、2022年にようやく名前が決まった。
その名は「ジャーニー」。同年3月より『おはスタ』(テレビ東京系)と協力して名前を公募しており、2022年6月に誌面と番組内で正式な名前が発表された。
「旅」の意味を持つ「ジャーニー」という名前は高く評価され、『ジャンプ』の編集長は「ジャンプ漫画の主人公のような“冒険”を感じさせるところがすばらしかった」と選んだ理由を明かしている。
ちなみに、この名前を投稿した人は、名づけの由来としてジャンプの「ジャ」と、『おはスタ』MCの声優・木村昴さんの愛称の「スバにぃ」から「にぃ」を採ったという。歴史あるジャンプの海賊の名前に木村昴さんの要素が入っているのは少し意外だ。
なおこの海賊マーク、90度傾けると女の子の横顔に見えることでも有名。この女の子も2018年に公式キャラ化されており、ジェイミーという名前がついている。
■『ジャンプ』ロゴの歴史
太字のフォントが目を引く見慣れた『週刊少年ジャンプ』の文字だが、このロゴは実は現在6代目である。これまでの歴史の中でももっとも長く使われており、1998年から現在まで同じものが使用されている。
1〜3代目はどれも1〜2年で刷新されていたことから、現在のデザインがいかに馴染み深いかは想像に難くない。ちなみに、2〜4代目のロゴには「ジ」の濁点が星になっていた。これは『ジャンプ』の創刊当初からデザイナーとして携わっており、上記の海賊マークもデザインした古川正俊さんが「みんなが欲し(ホシ)がる」というゲン担ぎで作ったのだという。