■手塚治虫文化賞特別賞を受賞した『ジャンプ』がある
2011年に起こった東日本大震災後、被災地の宮城県仙台市青葉区にある塩川書店五橋店あてに、山形県まで買出しに行った男性客から新刊未入荷となっていた16号が寄付された。
これを現地の多数の少年らが募金して回し読みをし、その『ジャンプ』は「あの少年ジャンプ」として、2012年に第16回手塚治虫文化賞で特別賞を受賞。現在も集英社の編集部に保管されている。
これは、漫画が笑顔を生み出し、人と人をもつなげてくれるという前向きな力を感じるエピソードだ。
■『バクマン。』は編集部の登場人物がほぼ実在
原作・大場つぐみさん、作画・小畑健さんの『DEATH NOTE』コンビによる、2008年から2012年まで連載されていた『バクマン。』。
主人公コンビが漫画家を目指し活動をする物語で、漫画界のリアルを描いたことで大きな話題を集めた。
同作には編集者のキャラが多く登場するが、それらのほとんどは実際に『ジャンプ』を作っている編集者たちである。見た目だけでなく名前も同じという徹底っぷり。もし自分がその立場だったら、実名を出しているだけに読者のヘイトを集めないか妙に不安になってしまうことだろう。
漫画を毎週発行することは大変な仕事。漫画家はもとより、『バクマン。』は編集の仕事の大変さと彼らの苦労もかいま見える内容だった。
何気なく手にしているものの、たくさんの歴史とドラマのある『ジャンプ』。隅から隅まで見てみれば、ありがたみが倍増するかも。