11月29日に最終回を迎えるドラマ『パリピ孔明』は、原作:四葉夕卜さん、漫画:小川亮さんによる漫画を実写化した作品で、“諸葛孔明が現代に転生したら”というテーマで描かれた作品だ。軍師として名を馳せた孔明が、アマチュアシンガーの月見英子をプロデュースしていく本作。原作の人気はさることながら、ドラマも好評となっている。
今回はそんな『パリピ孔明』のように、歴史上の偉人たちが転生する物語が描かれた作品についてご紹介していこう。
■文豪が現代で破天荒に生きる!『転生!太宰治 転生して、すみません』
日本を代表する小説家・太宰治。『走れメロス』や『人間失格』など、誰もが知る名作を生み出した文豪が、現代に転生してしまう物語を描いているのが、『転生!太宰治 転生して、すみません』だ。原作は佐藤友哉さん原作の小説で、作画は須賀今日助さんが担当している。
太宰治といえば、たび重なる自殺未遂や薬物依存など破滅的な生き様が有名だ。本作でも現代に転生してなお、とんでもない行動を繰り返す太宰の姿が描かれる。さらに文豪らしい言い回しの一人語りがおもしろく、突然現代へタイムスリップしてしまった太宰が見る世界の表現も見どころだ。
転生してもすぐ女性を口説き、心中しようとする太宰治らしい生き様と、現代でも「芥川賞」をとろうとする姿が読者にウケ、“転生もの”というジャンルのなかでも一線を画する作品として話題になっている。
■戦国武将がクローンで蘇る!『新・信長公記 ~ノブナガくんと私~』
甲斐谷忍さんの『新・信長公記 ~ノブナガくんと私~』は、偉人本人が転生するわけではなく、偉人のDNAを利用してクローンを作り出すという設定で描かれている。
タイトルにある織田信長だけでなく、羽柴秀吉(豊臣秀吉)や武田信玄、上杉謙信、伊達政宗など名だたる戦国武将たちをクローンとして蘇らせ、“本当に強い”人物を決めるという、ヤンキー漫画のような要素も持ち合わせた作品だ。
設定を聞くだけでも興味をそそられる本作だが、未来の日本を舞台に描かれている作品で、戦国武将についての教育が行われていないのもおもしろい点だろう。信長、秀吉といった超有名人ですらも、登場人物のほとんどに認識されていない。
そしてクローンゆえに自身の功績のことも知らない彼らだが、遺伝子に組み込まれた“戦国武将”としての気質は健在で、歴史オタクのヒロイン・日下部みやびが解説してくれる歴史上の小ネタも読者を楽しませていた。
単純にヤンキー漫画としても楽しめる本作。戦国武将が一堂に会する贅沢な設定が人気を博し、2022年には永瀬廉さんを主演にむかえ実写ドラマ化も果たしている。