■こぼして鳩のエサになることも多かった「にんじん」

「にんじん」はタカミ製菓から販売されている米菓子である。「ポン菓子」とも呼ばれ、お米をはじいて砂糖で味付けされた昔懐かしいお菓子だ。

「にんじん」は現在1袋40円で販売されているが、昭和は10円程度で買えた記憶がある。しかもネーミングのようににんじん1本分くらいの分量が入っていたので、お腹が空いたときによく買っていた。

 しかし「にんじん」は、ぴっちり袋詰めされていて開けにくかった。きっとハサミを使って袋を開け、お皿に移して食べるのが正しい食べ方なのだろう。しかし駄菓子屋さんの近くにあった公園で食べていた筆者は、力づくで袋を開けていた。

 その結果勢いで多くの中身を地面に落としてしまい、結果的に鳩のエサになってしまうこともあった。ちなみに昭和の駄菓子は「にんじん」以外にも開けにくい容器が多く「モロッコヨーグル」も、一生懸命歯で開けていた記憶がある。

■今の子も夢中なのになぜ販売終了!? 「ようかいけむり」「おばけけむり」

 最後に、製造が終了してしまった玩具を紹介したい。駄菓子屋でよく吊り下げられていた「ようかいけむり」「おばけけむり」(小林商店)だ。これは指先に薬を塗ってつけたり離したりすると、不思議な煙が出てくる玩具だが、惜しまれつつ2020年に製造終了している。

 実は幼稚園での勤務経験がある筆者、昔買った「ようかいけむり」が家にあった。せっかくなので昔勤務していた幼稚園に向かい、子どもたちの前で披露してみた。

 指から出る煙に水を打ったように静まり返る子どもたち。その後、大興奮した子どもたちが「やらせて!!」と筆者に襲い掛かってきたのは言うまでもない。

 現代っ子たちからも大人気の「ようかいけむり」、資材不足などが理由で製造終了してしまったことが残念でならない。いつか復活してくれるのを望むばかりだ。

 

 駄菓子屋さんの数もめっきり減り、今の駄菓子はデパートの展示会などで販売されていることも多い。しかもその値段は倍以上になり、子どものお小遣いで気軽に買えることも減っただろう。

 それでもわが子が小さかったとき、たまに駄菓子を買ってあげるととても喜んでいた。今も昔も変わらず子どもたちから大人気の駄菓子、たまには大人が思い出とともに手に取るのもおススメだ。

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