■『ジョジョ』ミスタに『ダイの大冒険』ヒュンケルも
『ジョジョの奇妙な冒険』にも死亡フラグを立てながらも生き延びるキャラは多い。特に第5部「黄金の風」のグイード・ミスタは印象的だ。
ブローノ・ブチャラティが率いる護衛チームのなかでも、ナランチャと並んで明るいキャラのミスタ。コメディシーンも多いが、敵と相対した時には「致命傷では?」と感じる攻撃を多く受けていた。
例えば列車という閉塞的な空間でプロシュートによって直接攻撃を喰らい、頭に3発の銃弾を喰らったり、ギアッチョとのホワイト・アルバム戦では、跳ね返された弾丸を敢えて受けるなど、銃弾の直接的な攻撃を受けることの多いミスタ。
特にホワイト・アルバム戦では、最後の弾丸が自らの脳天を直撃した。ここで死んでいれば死に様としてはカッコ良すぎたが、ジョルノが間一髪ゴールド・エクスペリエンスで治療をしたおかげで一命を取り留めた。つくづくラッキーな男である。
こんなに傷だらけになることの多かった彼が生き残り、ナランチャがこの後の展開でディアボロにあっけなく殺されたのは意外すぎた。また、ミスタは物語の最後にはパッショーネのボスとなったジョルノの右腕として組織を牽引していく様子が描かれている。最後まで愛されキャラらしい展開だった。
『DRAGON QUEST-ダイの大冒険-』のヒュンケルも絶対に死んでしまっただろうと思わせるシーンがあった。
ヒュンケルは不死騎団の団長だが、仲間だと思い込むダイ一向を前に仲間のふりをする。最終的には正体を表すが、その後改心し、その直後にフレイザードの襲撃を受けた一行を救い、一人マグマの中に沈んでいく。マグマからは絶対に助からないだろうと思われたのに、実はクロコダインによって救出され生きており、その後再登場を果たした。
敵として登場したのに仲間を庇って死んでいくというところまでの一連の流れがあまりに王道かつ、見事な死亡フラグすぎた。彼は読者の予想をもっとも裏切ったキャラだと言っていいだろう。
『新機動戦記ガンダムW』の主人公であるヒイロ・ユイも、絶対に助からないようなウイングガンダムとともに自爆するシーンが読者の度肝を抜いた。
しかもこのときのヒイロはタンクトップとハーフパンツのみという軽装で、約16メートルの高さのあるウイングガンダムのコックピットから落下。それなのに頭から出血する程度の軽傷で見事に生還した。信じられないほどの主人公補正だったが、他の作品ならまず間違いなく死んでいるだろう。
死亡フラグを立てながらもしぶとく生き残った彼らの手相は、生命線がありえないほど長いに違いない。