漫画やアニメには、「絶対この後死んでしまうだろう」という、いわゆる「死亡フラグ」を立てながらも、読者の予想をよそに生き延びたキャラがいる。そんな「フラグクラッシャー」なキャラクターたちの、あっぱれな生き様を紹介したい。
11月4日に10年半にわたるアニメがついに最終回を迎えた『進撃の巨人』にも、ファンから「絶対に死ぬ」と思われたキャラがいる。訓練兵団の104期として物語序盤から登場し、実は敵国であるマーレ国のスパイで「鎧の巨人」という衝撃的な正体を持つライナー・ブラウンだ。
ライナーは過酷な運命により、調査兵団としての人格とマーレ国の戦士としての人格が共存し、精神的にも脆くなってしまっていた。特にマーレ編では何度も死の直前まで追い詰められ、(読者にとっては)罪深い正体も相まって、物語のどこかで何らかの形で命を落とすだろうと思われていた。しかし逆にそのピンチの多さが生存フラグとなったのか、ついに最終回まで生き延びた貴重なキャラだ。
同作はとにかく登場人物の死亡率が高く、ライナーの相棒ポジションのベルトルトも重要人物ながら、意識のあるまま巨人化したアルミンに食べられるという最期を迎えている。
彼の死にたくても死ねないという立ち位置は悲しいが、いつか彼が様々なしがらみから解放されて生きていく未来をつい願ってしまう。
多くのキャラが命を落としてきた鳥山明氏の漫画『ドラゴンボール』で、珍しく最後まで元気な姿を見せたのがミスター・サタン。悟空たちがいないときに天下一武道会で優勝しているが、それは大会のレベルが大幅に下がったためであり、すぐに仮病を使い逃げるなど卑怯な行動が目立つ個性的なキャラだ。
鳥山氏はそんなミスター・サタンを「威張っているけどせこいというキャラクターが好き」と気に入っているようだ。
ミスター・サタンは無謀にもセルゲームに参加しようとしたり、サタンが悪党の凶弾に倒れた結果生まれた純粋悪のブウにかえって殺されそうになるなど、数々の死戦をくぐり抜けている。
しかし、魔人ブウによってほとんどの人が殺され、一瞬で地球人が全滅したりチョコに変えられてしまうなど、多くの人が死んでしまう場面でもしぶとく生き延びていた。ドラゴンボールで生き返るのをいいことに主要人物がバタバタと死んでいってしまう『ドラゴンボール』の世界観の中でも、唯一と言っていいくらい一回も死ななかったキャラだ。
実はそんなに強くないミスター・サタンだが、運の良さも強さのうちかもしれない。