カーネル大佐にハーン兄弟も…『北斗の拳』雑魚キャラたちも武器にしていた!? 南斗聖拳の華麗な「必殺技」3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳』新装版第1巻(コアコミックス)

 2023年9月に『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載開始から40周年を迎え、東京・森アーツセンターギャラリーで過去最大の大原画展「北斗の拳 40周年大原画展 ~愛をとりもどせ!!~」が開催されるなど、さまざまな企画が行われている武論尊氏、原哲夫氏による漫画『北斗の拳』。

 同作の魅力だが、やはりそれぞれの技と技のぶつかりあいによる大迫力のシーンが多くのファンを惹きつけてきた。ケンシロウやラオウにレイといった達人たちだけでなく、時には雑魚キャラたちの技も印象に残るもの。

 北斗神拳は、一子相伝のため使用者は限られているが、南斗聖拳は違う。表舞台で活躍していたため様々な形で派生しており、「この見た目でそんな必殺技があるの?」というような南斗聖拳使いの雑魚キャラも登場してきた。

 アニメではガレッキーが考案した「南斗人間砲弾」などオリジナルまで登場した自由な流派・南斗聖拳。今回は、『北斗の拳』の雑魚キャラたちが使用した南斗聖拳の必殺技を紹介していきたい。

■レッドベレー時代に習得した最強の暗殺拳だったが…

 まずはGOLANのボスであるカーネルが使用する「南斗無音拳」。カーネルという名前を聞いて、「そういえば、そんなヤツがいた!」と思い出した人も多いと思う。彼は物語序盤に登場し、かなり印象に残る戦いを見せた雑魚キャラのひとりだ。

 カーネルは、ケンシロウが宿敵であるシンを倒した後に現れた敵キャラのひとりで、一人で500人のゲリラを殺せると恐れられた陸戦隊・レッドベレーの生き残り。そこから戦闘集団「GOLAN」を率いるようになったのだが、多くを語らずに隠しておけばいいところ……自信満々に自らの強さをアピールし、「南斗無音拳」を習得したことを明かす。

 カーネルの使う「南斗無音拳」は、目と筋肉の微妙な動きを見て相手の動きを先読みし、攻撃をかわして反撃に転じる技。しかも気配を消して相手に近づくことも可能で、まさに暗殺拳と呼ぶにふさわしいものである。

 しかし北斗神拳は、ケンシロウが「しょせん20〜30年の訓練の成果でしかない」と言うように、わずか数十年で作り上げられた拳法とは違う。2000年の歴史を持ち、技術も精度も他の拳法とは別物。そのため、カーネルが最強と信じて疑わない「南斗無音拳」もあっさりと攻略されてしまう。そして、ケンシロウに「北斗壊骨拳」を叩き込まれ、無残にも全身の骨が飛び出して死んでしまうのだった。

■相当の練習が必要そうなコンビ技

 次は、聖帝軍の雑魚キャラコンビが使用した必殺技「南斗双斬拳」を紹介したい。アニメでベジとギジというまるで絵本『ぐりとぐら』のような名前をつけられた二人だが、彼らが見せた必殺技はかなり面白い。

 ケンシロウがサウザーの前に現れた場面で、ベジとギジがケンシロウを倒しに前に出る。そして二人はケンシロウを間に挟んで左右から構えると、「はいっ!はいっ!」と刀剣でキャッチボールでもするかのように投げ合うのだ。しかもその速さが凄い……恐らく素人が目で追うことも難しいレベルだろう。これこそが二人が使う「南斗双斬拳」。相手を挟んで刀剣を投げあいながら間合いを詰め、反撃をする間を与えずに切り刻む技だ。

 だがケンシロウは、そんな刀剣の高速キャッチボールに顔色一つ変えることもなく、全てを見切って避ける。そして、遠近感を狂わせる秘孔「児鳩胸(じきゅうきょう)」を突かれたことによって、二人の「南斗双斬拳」のペースは乱れ、互いに刀剣が突き刺さってあっけなく最期を迎えてしまった。

「南斗双斬拳」は、まるでジャグリングのような必殺技であり、二人が必死に練習しているところを想像すると笑えてしまう……。南斗聖拳には多くの技があるが、このような技を本気で取り入れているところも凄い。

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