『ゆりあ先生の赤い糸』だけじゃない! 『あなたがしてくれなくても』に『ホリデイラブ』逆境に負けない“たくましすぎる少女漫画の主人公”たちの画像
ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』キービジュアル(C)テレビ朝日

 菅野美穂さんが主役を務める『ゆりあ先生の赤い糸』が話題だ。このドラマは入江喜和さんが手がける漫画が原作であり、「第27回手塚治虫文化賞」でマンガ大賞を受賞した話題作である。

 本作では主人公・ゆりあの夫がくも膜下出血で倒れて意識不明になったあと、実は夫には美青年の恋人や女性の愛人がいたことが発覚し、さらに隠し子疑惑まで……という衝撃的なストーリーが展開されている。普通なら即離婚となりそうだが、ゆりあは夫の愛人やその子どもたちも受け入れ、共同生活をはじめるのだ。普通の女性には到底できない、ひとりの女性の強い生き方が描かれている。

 実は女性向け漫画には本作のように、“ダメ夫にも不倫にも負けない強い女性”が描かれることも多く、いずれも人気作品となっている。くじけそうな展開にも立ち向かう強い女性たち、ここではそんなたくましい主人公が描かれている作品を紹介しよう。

■多くの夫婦が悩む問題に真っ向から向き合う女性を描いた『あなたがしてくれなくても』

 ハルノ晴さんによる『あなたがしてくれなくても』は、2017年から『漫画アクション』(双葉社)で連載されている漫画だ。

 いまや多くの夫婦が悩むとされている“レス問題”に直球で挑んだ作品であり、2023年には主演を奈緒さん、永山瑛太さん、岩田剛典さん、田中みな実さんなど豪華なキャスト陣でドラマ化され、SNSを中心に大きな話題となった。

 主人公・吉野みちは、32歳の既婚者。夫の陽一とは仲が良いが、2年にわたってレスが続いていることに悩みを抱えていた。それを会社の先輩・新名誠に打ち明けると、実は新名も同じ悩みを抱えていたことが発覚。その一方、陽一はみちには欲情できず、外で浮気をしてしまう。

 これまでもレスに関する漫画は多くあったが、その多くが浮気をして離婚をするか、不倫を続けるか、といった展開であった。しかし本作は単純にみちと新名が浮気に走るのではなく、夫婦とは何か、自分がどう生きて行きたいのかを真面目に模索するのが印象的だ。

 性欲を満たすだけなら、外で浮気をすればいいだろう。しかしみちは“心も体も満たされたい”ことを願い、夫と真向から向き合っていく。それでも現実はなかなかうまくいかず、単純にハッピーエンドとはならない。

 結婚したら多くの夫婦が直面すると言われる“レス問題”、みちの強い行動やたくましい決断に、勇気をもらった読者は多いだろう。

■浮気が発覚した後の夫婦再生を描く『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』

『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』は、原作:こやまゆかりさん、漫画:草壁エリザさんによって漫画アプリ『マンガボックス』にて掲載された人気作品だ。閲覧者数は300万人以上、2018年には主演を仲里依紗さんがつとめ、ドラマ化されている。

 主人公・高森杏寿は、ネイルサロンを開く一児の母。優しいイケメン夫の純平と、可愛い一人娘に囲まれ幸せな生活を送っていた。しかし単身赴任先で純平が、魔性の女と呼ばれる井筒里奈と浮気をしてしまい、杏寿は地獄に突き落とされる。しかし杏寿は再び夫を信じ、夫婦再構築に向かってパワフルに立ち向かっていくのだ。

 最初は勝ち組とも言える杏寿が、夫の浮気によってどん底に突き落とされる姿は痛々しい。また浮気をする夫といえばイメージが悪いが、純平の場合は本当に素直で良い性格をしており、魔性の女に捕まってしまう描写もリアルだ。ドラマでは里奈役を松本まりかさんが演じ、可愛い声の裏に潜む不穏さがハマっていた。

 “サレ妻”作品の多くは夫に仕返しをしていくケースが多いが、杏寿の場合は自分の気持ちをあらためて見直し、浮気相手の夫婦にも冷静に対応するのが印象的だ。杏寿のたくましい行動のおかげで、夫婦が以前にも増して固い絆で結ばれる展開に注目してほしい。

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