■お馴染みの展開だからホッとする『パラソルヘンべえ』
『パラソルヘンべえ』は、1989年10月から1991年にかけて、平日の17時50分から10分間放送されていたアニメだ。原作:藤子不二雄Aさんによるこの作品は、異次元世界からやってきたヘンべえという不思議なキャラクターが、小学生の内木メゲルと一緒に毎日起きるトラブルやハプニングを解決していくストーリーだ。
藤子さんの代表作といえば『忍者ハットリくん』や『怪物くん』などが有名だ。いずれも小学生男児と友情をはぐくみながらトラブルを解決していく内容なのだが、この『パラソルヘンべえ』も藤子さんが手がけたアニメとあって、良い意味で既視感のある作品だったように思う。似たようなキャラクターも多く登場しており、当時、子供ながらに「たぶんこういう展開?」と分かっていながらも見るのが楽しかった。
ヘンべえの操る不思議なパラソルは、美しい鳥を呼び込んだり、空を飛んだりと変幻自在。ハットリくんや怪物くんのような派手なアクションシーンはないものの、いつもの日常生活をちょっと面白くしてくれるキャラクターにほっこりした。
ちなみにヘンべえの声優を務めていたのは、俳優の中村メイコさんだ。高くて少し鼻に掛ったような声が、不思議な魅力を持つキャラクターにとてもマッチしていた。
今回紹介した3作品は、いずれも平日の夕方にNHK総合で放送されていた。学校で嫌なことがあって落ち込んだ日にも、これらの10分アニメを見ただけでなんだか忘れられていたように思う。
現在は再放送されていないのが残念だが、有料アニメ動画やDVDで見られる作品もあるので、気になる人はチェックしてほしい。