『るろうに剣心』志々雄真実に『幽遊白書』仙水も…  運がなければやられていた? 主人公を圧倒した「ジャンプ漫画の悪役」たちの画像
るろうに剣心 新京都編 特別版(Blu-ray Disc)/アニプレックス

 『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画にはいろんな悪役キャラが登場するが、ほとんどが主人公たちに倒されてしまうのが当たり前……。しかし中には、ひょっとしたら主人公たちに勝っていたのでは?と思えるキャラもいる。

 敗北する理由はさまざまで、多くが予想外の偶然によるものといえるだろう。その確率は、ひょっとしたら何万分の一なのかもしれない。しかし万に一つの可能性をモノにすることができるから主人公は強いのだ。運だけといってしまえばそれまでだが……。

 そこで今回は、実際には負けたけど勝っていた可能性もあると思える、主人公を圧倒したジャンプ漫画の悪役キャラを紹介していきたい。

■『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』志々雄真実

 2023年の再アニメ化によって、当時熱狂していた層だけでなく新たな世代のファンを獲得しているのが、和月伸宏氏による『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』だ。

 主人公の緋村剣心は幕末最強の剣士として知られ、多くの敵と戦ってきた。その中のひとりに志々雄真実がいる。維新志士として活躍した剣心の後任で、剣心と遜色ない剣技を使いこなす「京都編」のラスボスだ。志々雄は弱体しきった日本を生まれ変わらせるため、武装集団「十本刀」を結成して世に混乱を巻き起こそうとする。そして剣心は、志々雄討伐に駆り出されることになった。

 剣心たちは十本刀を倒すことに成功した後、左之助、斎藤、蒼紫、剣心の布陣で志々雄と最終決戦をすることになる。4対1なのでどうみても剣心たちが有利!と思えるが、志々雄の強さは想像以上だった。多対一にも関わらず、剣心たちをあっさり一蹴してしまったのだ。

 志々雄の強さを冷静に分析してみると、とんでもない戦闘力だと思う。耐久力の面でいえば、剣心の放つ渾身の五連撃からの「九頭龍閃」を受けて平然としていた。しかも最終奥義である「天翔龍閃」を喰らっても立ち上がってしまう。攻撃力では、素手で左之助を倒すほどの怪力の持ち主で、刀の技の鋭さもケタ違い……。あらゆる攻撃を見切ることを得意とする剣心だが、それも通じない。

 そんな強さを持つ志々雄だが、15分という活動限界を迎えると、人体発火をして自滅してしまう。もし志々雄に活動制限が無かったとしたら、剣心たちに余裕で勝っていたことはいうまでもない。彼の最終奥義「終の秘剣・火産霊神」は不発に終わってしまったので、どんな技なのか気になってしまう。

■『幽☆遊☆白書』仙水忍

 冨樫義博氏による『幽☆遊☆白書』にも、主人公が実力で勝ったとは言い切れない悪役がいる。それが、霊界探偵として活躍する幽助の前任者である仙水忍だ。仙水は、幻海すら持つことができなかった、霊気を上回る黄金色の聖なる闘気・聖光気を持つ天才である。さらに七つの人格を保有し、表に出た性格によって強さが変わってしまう。

 幽助との戦いでは、本人格である「忍」の性格が表に出たことで一気に戦力差が広がってしまった。それによって、幽助は手も足も出ない状態のまま心臓を撃ち抜かれる……。「もしかして死んだ?」とも思われたが、彼は魔族として覚醒することで命を取り留めた。

 その後仙水に再戦を挑み、互角の戦いを繰り広げる幽助だったが、途中で雷禅に乗っ取られるような形で完全覚醒。そこからは無意識下での戦いとなり、今までと一変して幽助が仙水を蹂躙する。明らかにチート能力の発動のようなものだ。

 一連の流れはあくまでも偶然であり、幽助が意図して行ったことではない。それは幽助が「今のなしだ もっぺん やり直すぞ 起きろ」と話しているところからもわかる。本来なら幽助は完全に敗北していたということだ。

 覚醒する前の幽助が修行したからどうにかなる!というレベルには思えなかったので、仙水は人間にもかかわらず次元の違う強さといえるだろう。正直、どうやって攻略していいのかわからなかった……。

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