■パーフェクトジオングの名称やモビルスーツに喜怒哀楽の表情を取り入れた世界観
四郎の改造ガンプラといえば、「パーフェクトガンダム」だ。ちょっと改造し過ぎだろうとも思うのだが、これに対抗したのがライバルでもあるサッキー竹田の「パーフェクトジオング」だ。シャアが乗っていれば、ガンダムに勝てたのではないか?と、思わせてくれる。
ちなみに、これらの名称は『プラモ狂四郎』が発祥なのだが、いつの間にやら『機動戦士ガンダム』で登場したものだと筆者も錯覚していた。それほどに、見事なネーミングといえるだろう。
そして、作中にはガンプラのモビルスーツに喜怒哀楽の表情が描かれている。これには賛否両論あったようだが、小学生だった筆者にとっては感情が入りやすく、操縦しているキャラの心情を代弁しているようにも見えるので素晴らしい世界観といえた。
まあ、シャア専用ザクが蹴られて涙を見せるなど、アニメファンからすると「シャアだぞ!」と憤慨したくなるのは大人になった今なら分かる気がする。だが、このコミカルさが作品にマッチしているので、読んでいて単純に楽しかったものだ。
それにしてもこのシミュレーションマシン、バトルで攻撃を受けて損傷すると、マジックハンドで操縦者のガンプラも実際にダメージを受けてしまう。この発想は当時としてはかなり画期的であり、倉田店長の技術ってあらためてとんでもないと言えるだろう。
あれ?でも勝手に損傷するなんて、器物破損にもなり兼ねない。コクピット内ではケガしないのでOK、とは言えないだろう。必死に作ったガンプラが壊されるなんて……あとで訴えられないように四郎ら小学生相手に念書を書かせているのだろうか。
さすが倉田店長だぜ。って、未成年だから念書も効果がないような……?
さて、『プラモ狂四郎』はかなり懐かしい漫画なのだが、当時はみんな読んでいたものだ。のちにファミコンやミニ四駆の登場でガンプラを作る機会が減ってしまったが、本当に凄くて憧れた世界観だったと今振り返っても驚いてしまう。