11月4日はアニメ『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイの誕生日であり、過去にはガンダムカフェなどでさまざまな関連イベントが行われてきた。
歴代のガンダム主人公の中でもとりわけ「最強」の声が上がるアムロ。ファーストガンダム当時まだ15歳という若さにも関わらず説明書を見ただけでモビルスーツを乗りこなしたアムロは、その後の戦いでニュータイプとしての才能を開花させ、神業を連発。ドム12機を1戦で全滅させる、水爆を爆発させないようにビームサーベルで斬り落とし無力化する、などなど超人的操縦センスで、ジオンの名だたるエースパイロットを退けていった。ガンダムファンなら、その凄まじいパイロット能力は誰もが知るところだろう。
そんなアムロだが、モビルスーツから降りた白兵戦ではどうだろうか。実は、白兵戦でも常人離れしたセンスを見せつけていた。
■ア・バオア・クーでのシャアとのフェンシング決闘
アムロの白兵戦といえば、やはり印象深いのはファースト『機動戦士ガンダム』の、ア・バオア・クーでのフェンシング対決だろう。
相手のシャア・アズナブルは、士官学校のエリート軍人であり、アムロと対峙した時点ですでにエースパイロットとなっている。対してアムロは、それまでは機械いじりが趣味の一般市民だった。
フェンシング対決の途中でも、シャアは「ニュータイプと言えども、体を動かす技は訓練をしないと常人と同じ」と指摘しており、15歳の少年と軍人である自分とで、身体能力の差に自信があることが見受けられる。
しかしアムロは、シャアの初撃である剣の投擲を回避し、立て続けに刺突をするシャアの一撃もかわしている。アムロはこの時点では剣を持っておらず、攻撃を剣で防ぐこともできない。あまり運動神経が良くない場合、この時点でもかなり危険だ。
その後、アムロが鎧にぶつかった衝撃で、近くの剣が宙を舞うが、そこですかさずアムロは剣を手に取る。そして互いに剣を使った激しい攻防の際に、シャアの額をひと突き。シャアに「ヘルメットが無ければ即死だった」と言わしめたのだった。
咄嗟の状況判断、キャリア軍人を相手に引けを取らない鍔迫り合い。かなりの白兵戦センスがあるように見受けられるシーンだった。
■ロンデニオンでシャアとの殴り合い
続いては、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で見られる、ロンデニオン内でのシャアとの格闘シーンだ。
アムロとシャアが顔面を殴り合う格闘戦の末、アムロは柔道で言う「巴投げ」を繰り出し、シャアをかなりのいきおいで投げ飛ばしている。友人であるハヤト・コバヤシから柔道を教わったのかもしれないが、とはいえ実戦で巴投げを決めるのは経験者であってもなかなかに難しいことだろう。
また、本格的な格闘戦に至る前の動きにも注目だ。馬に乗ったシャアを発見したアムロは咄嗟にシャアを追いかける。シャアに車で肉薄し、横につけた途端、運転席からジャンプ。見事に馬上のシャアに組みつくことに成功している。
長年、アムロはカラバで戦闘を行っており、シャアとの肉体差はア・バオア・クーの時ほどは無いと思われる。とはいえ、事前準備も無く自分の運転している車から馬に飛び移るのは凄い。アムロの操縦センスに、肉体的なセンスが加わったからこそ出来た技であろう。