■「まぶ~い ナオンちゃん」すべてが懐かしい『ハイティーン・ブギ』
1977年より『プチコミック』(小学館)で連載された『ハイティーン・ブギ』。原作:後藤ゆきおさん、作画:牧野和子さんにより描かれた本作は、暴走族のリーダー・藤丸翔と、優しくてかわいいヒロイン・宮下桃子との波乱万丈な青春群青劇が描かれている。
70年代に出版された本作には、その当時の若者言葉がたくさん掲載されている。翔と桃子は2人暮らしをするためアパートを探すのだが、その手助けをしたサミーは桃子を見て「まぶ~い ナオンちゃん」と表現。今でいう「可愛い彼女ですね」と、いったところか。
また、翔を狙う幼なじみのかおりは当時流行ったドロドロのドラマで出てくるようなセリフを言っている。桃子と結婚を決めた翔に対し「わたくし 少しょうのお遊びなら許せてよ」「わたくしがあんな娘に負けるはずがないわ ほほほほ…」と、高笑い。こんな昭和ならではの愛憎劇に出てくるようなセリフも懐かしい。
このほかにも「バッキャロー」や「うふっ」といった、昭和によく見たセリフが満載の本作。40代以上であれば、読むたびに懐かしい気分に浸れるだろう。
懐かしい昭和少女漫画のセリフの数々。今では使われていない言葉も多く、読むだけで当時を思い出し、ノスタルジーな気持ちになれる。
しかも今回紹介した作品の主人公は、すべて中高生だ。まだ15歳程度なのにこんなに過酷な人生を送りながらも、当時流行っていたセリフを若者らしく口にしているキャラクターたちを見て、つい応援したくなってしまう。
ぜひ昭和の少女漫画で、大人びた昔の主人公の活躍と懐かしいセリフを今一度楽しんでみてはいかがだろう。