『悪魔の花嫁』や『ハイティーン・ブギ』にも…今では絶対言わない! 昭和時代の少女漫画に登場した懐かしい“独特のセリフ”たちの画像
SMART COMICS『ハイティーン・ブギ』第4巻(スマートゲート)

 いつ読んでも色褪せることのない昭和の名作漫画。とくに少女漫画の多くは令和の人気漫画にも通じる面白さがあり、数十年も前にこのアイデアが出ていたと思うと感慨深い。

 しかしそれと同時に「ナウい」や「カワイコちゃん」など、“こんなセリフ、今では言わない!”とツッコミたくなるような懐かしい言葉もたくさん登場する。今回はちょっと面白い、昭和の少女漫画によく登場した懐かしい言葉をいくつか紹介しよう。

■「ダサい」に意味の解釈つき『悪魔の花嫁』

『悪魔の花嫁』は、原作:池田悦子さん、作画:あしべゆうほさんの少女漫画だ。1974年から『月刊プリンセス』(秋田書店)で掲載された作品で、悪魔のデイモスに魅入られた女子中学生・伊布美奈子が、次々に巻き起こる不思議な出来事に立ち向かっていくストーリーだ。

 本作はホラーテイストでありながら、昭和の日常生活がたくさん描かれており、それに伴うセリフも懐かしい。1話では美奈子のいとこ・良が恋人とデートをするであろうシーンに遭遇し、「なーる……!!」と言っている。今でいう、“なるほど、2人はそういうことね!”といったところか。

 また、第8話では昔ながらの暴走族が登場し、女暴走族にいさめられるシーンで「こ こりゃ ダサイ(かっこ悪い)ことやっちまったぜ」というセリフが入る。今でも普通に「ダサい」という言葉は使われるが、そこに()で意味の解釈が入っているのが、なんとも昭和らしい。

 8話ではこのほかにも「カワイコちゃん」や「バアイ!」といった、昔ながらのセリフが登場する。昭和生まれの筆者は昔のセリフを見つけるたび、つい懐かしさからニヤケてしまった。

■昔ながらのヤンキー言葉が満載『花のあすか組!』

『花のあすか組!』は、高口里純さんによって1985年から連載された少女漫画だ。

 中学2年生の主人公・九楽あすかは、孤独を好む喧嘩の強い少女。夜の新宿歌舞伎町を舞台に、さまざまな抗争に巻き込まれながらも強く生きていくあすかの姿を描いた作品だ。

 本作は昭和を代表する少女ヤンキー漫画でもあり、悪ぶった少年・少女たちのセリフが印象的だ。たとえば、あすかが目上のイケメン男性を呼ぶセリフの多くは「あんちゃん」。今ではあまり聞き慣れない言葉だが、昔は親しみを込めて若い男性を“あんちゃん”と呼ぶ場面も多かったように思う。

 また、1巻に出てくるあすかとミコの会話シーンでは、あすかが「バーカ お呼びじゃないよ」と答えている。この「お呼びでない」という言い回しは、昭和のコメディアン・植木等さんの「お呼びでない? お呼びでない? こりゃまた失礼しました」というギャグが大人気になり、昭和時代では日常会話でもよく使われていた。

 このほかにも本作では「ダチにハンパあつかいされて」や、“竹の子族”といった懐かしのワードがたくさん出てくる。また、タバコを吸う不良学生だったり、女ヤンキーの攻撃道具がカミソリなどなど、昭和ならではのヤンキー描写がたくさん登場する作品だ。

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