■ぽっちゃり系の「四品川小百合」

 四品川小百合(よしながわさゆり)は、ぽっちゃりな体型がコンプレックスで、ダイエットのために柔道部に入部した。

 試合後、毎回のように「私 痩せた?」と部員に聞いていたのが女子らしい。体格こそ恵まれていた小百合だったが、彼女もまた素人。筑紫大学との練習試合では完璧に腕挫十字固を決められるも“参った”を教えてもらっておらず、「痛い痛い」と泣き叫びながら馬鹿力だけで返していた。

 柔の旅行会社鶴亀トラベルへの就職のかかったフランスの強豪セーヌ大学との試合に、副将として出場。顔を擦りむきながらも体格を活かした執念の抑え込みで、一勝をあげている。

■フラれ体質の「南田陽子」

 最後は、南田陽子(みなみだようこ)、通称“ナンダ”。自称“フラれ体質”で男運がなく、よくフラれる。

 原作の漫画にはないがアニメ版では柔と出会う前にも、風祭に振られた高校生として少しだけ登場。アニメ第6話で公園のボートに乗り「進之介さまはそんなんじゃないわ」と大泣きし、慰められたりもしている。そんな恨みもあり、世の中の男をぶん投げるため柔道部入部を決めた。

 練習は熱心で、気弱な4人と勝手気ままなマリリンを引っ張っていくような存在だった。柔道の実力も柔、富士子に次ぐものとなり、卒業後は女性警察官になっていた。メンバーのなかで、その後の人生にもっとも柔道を生かしたのは彼女だったのではないだろうか。

 

 今回は『YAWARA!』の三葉女子短大柔道部メンバーを、それぞれの見せ場とともに振り返ってきた。柔道部に入部した動機や目的はそれぞれまったく違ったが、筑紫大学との練習試合をはじめ、紫陽花杯や卒業試合に挑み、ときに悔しがり、ときに喜ぶ姿は素敵だった。

 富士子は卒業後も柔道選手として活躍、さらに柔道を介して知り合った花園薫と結婚し女の子も授かっている。ほかのメンバーにおいても就職や彼氏といる場面が描かれており、三葉女子短大柔道部を思い出にそれぞれの道を歩んでいるのが微笑ましかった。

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