『機動戦士ガンダム』やられ役ばかりじゃない! 大金星を挙げたザク3選の画像
バンダイのプラモデル『RG 機動戦士ガンダム MS-06F 量産型ザク 1/144スケール』より

「ザク」と言えば、ジオン軍を代表するMS(モビルスーツ)だが、“やられ役”というイメージが強い。初代『機動戦士ガンダム』第1話では、初搭乗したアムロ・レイのガンダムにジーンのザクIIは背中から一刀両断、続けざまにデニムのザクIIはコックピットを一突きされ、見事な“やられぶり”を見せている。作中では大破することが多いザクであるが、しかしなかには見事な活躍を見せたザクもいる。

 そこで今回は、『ガンダム』シリーズのなかで大金星を挙げたザクを紹介する。実はやられてばかりじゃなかった、ザクの勇姿を見ていこう。

■セイラ搭乗ガンダムを損傷させたコズン・グラハムのザクII

 まずは、『機動戦士ガンダム』からコズン・グラハムのザクIIを紹介する。

 パイロットのコズン・グラハムは、ジオン公国宇宙攻撃軍ランバ・ラル隊所属の少尉。『機動戦士ガンダム』の前日譚である『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』にも登場しており、「ザク乗りになりゃまたご一緒できるかと思って志願したんですが…」とランバ・ラルの前で語っている。ザクのパイロットになったのは彼の影響が強いようで、戦場でなければ人のいい普通のおじさんなのだろう。

 ザク大金星のシーンは、『機動戦士ガンダム』第16話「セイラ出撃」でのこと。

 兄であるシャア・アズナブルの存在を確認するため、セイラ・マスはガンダムで無断出撃した。しかし地球の重力に慣れておらず、また砂漠という地形ということもあり、実戦に出られるような状態ではなかった。そんなセイラが搭乗するガンダムを追い詰めたのが、ランバ・ラルのグフとともに出撃していたコズン・グラハムのザクIIである。

 コズンは、敵のパイロット(セイラ)が操縦に不慣れであることに気づき単独接近、メインカメラを破壊し、ガンダムを追い詰めた。しかしその直後、アムロが搭乗するガンキャノンが現れて形勢逆転。逆に鹵獲され、地球連邦軍の捕虜となる。このとき、コズンは不名誉な“ジオン兵で初めてホワイトベースへ搭乗した人物”となった。

 アムロ搭乗のガンダムではなかったものの、かなりのところまで追い詰めたのは事実だ。仮にここでガンダムを鹵獲できていれば、コズン・グラハムのザクが歴史を大きく変えていたのは間違いないだろう。

■ハヤトを葬ったラカン・ダカランのザクIII

 次は、『機動戦士ガンダムZZ』ラカン・ダカランのザクIIIを紹介する。

 ネオ・ジオンの士官・ラカンは、一年戦争から最前線で戦い続けてきた生え抜きのMSパイロット。MSの操縦はニュータイプや強化人間にも劣らず、必要であれば民間人も殺害する非情な一面を持つ軍人だ。作中では“大尉”と呼ばれることもあったが、ネオ・ジオンには近代軍の階級制度がないらしく、その呼び名は旧ジオン軍のもののようだ。

 ラカンが搭乗したのはザクIII。ザクIIの後継機で、従来のザクのように汎用性と性能バランスに優れている。しかし、当時のネオ・ジオンは人的資源の乏しさを補うために多機能重武装化がトレンドだったため、汎用性と性能バランス重視のコンセプト自体が合わず、少数生産ものだ。

『機動戦士ガンダムZZ』第35話「落ちてきた空」。ダブリンへのコロニー落とし作戦にて、ダブリンからの道をすべて塞ぐべくラカンはザクIIIで出撃し敵を圧倒、ジュドー・アーシタらのZZの変形合体にもいち早く気づき、これを阻止しようとする。さらに、ジュドーを助けるため戦闘に割って入ったハヤト・コバヤシのドダイ改を撃墜し、戦死させている。

 ハヤトはアムロとともにサイド7からホワイトベースへ搭乗し、非常に人気が高いキャラだっただけに、その戦死は衝撃的だった。

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