ドラマ『きのう何食べた? season2』のケンジにキュンとくる! BL実写化作品で素晴らしい演技だった俳優たち…『弟の夫』や『チェリまほ』にもの画像
(C)「きのう何食べた? season2」製作委員会 (C)よしながふみ/講談社

 昔の恋愛漫画の多くは、容姿端麗な男女が主役であった。しかし近年の漫画ではボーイズラブ、略して“BL”と呼ばれるジャンルも漫画界をけん引している。

 いまだ困難もあるなか、純粋に愛し合う男性同士の恋愛は見ていてキュンとする。さらにその漫画を実写化したドラマや映画も増えており、より視聴者を楽しませてくれる。そうしたドラマが人気の理由は漫画の原作が素晴らしいだけでなく、素敵な演技をしてくれる俳優がいるからだ。ここでは、BLの実写化ドラマで演技が素晴らしかった俳優たちを紹介していこう。

■ナチュラルな愛情表現が可愛すぎる…『きのう何食べた?』内野聖陽

 よしながふみさんの『きのう何食べた?』は、漫画誌『モーニング』(講談社)で連載中の漫画だ。2019年にドラマ化され、21年には映画化、そして2023年10月よりドラマの続編『きのう何食べた? season2』がはじまっている。

 本作は、法律事務所で働く雇われ弁護士の“シロさん”と、明るい中年美容師の“ケンジ”の日常を食生活をメインに描いたほっこりした物語だ。実写化においては、“シロさん”を西島秀俊さん、“ケンジ”を内野聖陽さんが演じている。

 もともと甘いルックスで、男女ともに人気の高いシロさんを西島さんが演じるにあたり、ピッタリとの声が多かったようだ。対して内野さんは過去に大河ドラマでの主演をはじめ、勇ましい武将役や陰のある刑事役のイメージがあるだけに、ケンジ役だと聞いて驚いた人も少なくなかった。

 しかし実写化では、内野さんの演じるケンジがとても可愛くて好評だ。内野さんの演技はナチュラルで違和感がなく、柔和な動きを体全体で見せ、指先までの動作もしなやかで美しい。結婚指輪を指にはめてとシロさんにねだる動作や、「もお、照れちゃってえ」と言ったセリフなど、そのすべてがとにかく可愛いのだ。

 内野さんは演じる役に合わせて、ストイックに向き合う俳優としても有名だ。『きのう何食べた?』でも、映画の撮影では、合間に西島さんと「ここのセリフどう思う?」「僕もそう思っていた」など話し合い、さらに素晴らしい演技を見せられるようセッションしていたそう。

 内野さんの魅せるナチュラルで可愛らしい愛情が、このドラマの穏やかで幸せな雰囲気を表現している。

■大きな体はマイクそのもの『弟の夫』把瑠都

 田亀源五郎さんによる『弟の夫』は、『月刊アクション』(双葉社)で2014年から17年まで連載され、2018年に佐藤隆太さん主演でドラマ化されている。

 主人公・弥一は一人娘の夏菜を育てるシングルファーザー。ある日、マイクと名乗るカナダ人の男が、突然家にやって来る。マイクは弥一の亡くなった双子の弟の結婚相手であり、そこで奇妙な同居生活がはじまる……という話だ。

 漫画に登場するマイクは、髭がモジャモジャでとても大柄なマッチョの外国人。その役柄に抜擢されたのが、力士として活躍した把瑠都(バルト)さんだった。

 彼の演じるマイクは、実に漫画そのもの。元大相撲力士ならではの大きな手や体が、そっと夏菜を抱きしめるのにとてもマッチしていたように思う。

 また、原作でのマイクの暖かい印象そのままに、「男同士で結婚できるの?」といった素朴な質問をぶつける夏菜に、優しい言葉で返しているのが印象的だった。

 本作では日本人と外国人の考え方の違いや、同性愛を見る周りからの偏見、そして“家族”とは何かを考えさせられる。原作漫画は2015年には第19回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門優秀賞を受賞しているので、ぜひ読んでみてほしい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3