『金田一少年』に『名探偵コナン』敵の目を欺くことで活路を見出す! 漫画キャラが自らの死亡を偽装した理由とは!?の画像
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 漫画やアニメのキャラクターが、死んだと思わせて実は生きていた、というケースは意外と多い。激しい戦闘で傷付きとても助からない……かのように見せかけて、その後で人知れず治療を受けて復活! などという展開は逆に定番だとすら言えるだろう。

 読者に対して死んだと思わせるのは何もバトル漫画に限ったことではなく、様々なジャンルの作品で使われている作劇上のテクニックだが、ちょっと違ったパターンとして、作中のキャラクターが敵を欺くために敢えて死を偽装することもある。その場合、偽装されたかりそめの死からの復活は、読者にとっては嬉しいサプライズとなる。

 そこで今回は、敵の目を欺くために敢えて死を偽装する、という策を取ったキャラクターを紹介していきたい。

■追い詰められて飛び降り自殺を偽装!『金田一少年の事件簿』高遠遙一

 まずは、原作・原案:天樹征丸氏/金成陽三郎氏、漫画:さとうふみや氏による『金田一少年の事件簿』(講談社)に登場する、“地獄の傀儡師”こと高遠遙一だ。主人公の金田一一の最大の宿敵であり、金田一シリーズには欠かせない存在だ。その関係性は、まるで『シャーロック・ホームズ』シリーズにおけるホームズとモリアーティ教授を彷彿とさせる。

 高遠は、誰かを「殺したい!」という意志を持っているがそれができない……そんな人間の後押しをするかのように現れ、犯行を指南する。天才マジシャンの息子である高遠は完全犯罪を遂行することに芸術性を感じ、犯罪をプロデュースする。そんな高遠が関係する犯罪を解決するのが金田一だ。

 自らが起こした「魔術列車殺人事件」で金田一と初めて顔を合わせた高遠は、それ以後も「速水玲香誘拐殺人事件」「露西亜人形殺人事件」「金田一少年の決死行」と、多くの事件に絡んでいく。

 その中でも、高遠が初めて金田一に追い込まれたのが「金田一少年の決死行」だ。

 この事件で高遠は金田一を殺人犯に仕立て上げ警察に追われる身に陥れるが、金田一は逃亡しながらも事件を解決し、裏で操っている高遠の正体に気付いて追い詰めていく。警察官に囲まれてしまった高遠は、皆の見ている前でホテルの窓から飛び降りてしまう。

 あまりにも突然過ぎる自死に驚かされ、あっけない幕引きだと思ってしまうが、実は高遠は死んではいなかった。飛び降りる直前に用意した死体と入れ替わり、その後すぐに剣持警部に変装していたのだ。やはりこの男は一筋縄ではいかないと思い知らされた。

 しかし、このトリックもまた、金田一に見抜かれてしまう。そう簡単に死を選ぶようなタマじゃないという、高遠らしくない行動がやはり金田一には引っかかっていたのだ。そして、それを聞いた高遠も初めて敗北を認めた。誰よりも高遠のことを知っている金田一だからこそ、死の偽装を見抜けたのだ。宿命のライバルである2人だからこそ、お互いの最大の理解者でもあるということが言えるだろう。

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