10月29日で30周年! 子どもたちを感動させたスーパーファミコン『龍虎の拳』の凄かったところを振り返るの画像
スーパーファミコンソフト『龍虎の拳』

 スーパーファミコン版『龍虎の拳』が、30周年を迎える。もともとはSNKが発売したネオジオ用ソフトで、その後、1993年10月29日に ケイ・アミューズメントリースによってスーパーファミコンへ移植され、発売された。

 当時は『ストリートファイターII』や『餓狼伝説』など格闘ゲーム全盛の時代であり、『龍虎の拳』もその流れを組みつつ、独自のシステムを取り入れ子どもたちを熱狂させた。

 そこで今回は、当時の子どもたちを感動させた『龍虎の拳』のすごかったところを紹介したい。のちの格闘ゲームにも影響を与えた『龍虎の拳』発祥のシステムというものもあるので、ぜひチェックしてみてほしい。

■「覇王翔吼拳」!! 史上初の超必殺技

『龍虎の拳』と言えば、やはり「覇王翔吼拳」だろう。覇王翔吼拳は、主役キャラであるリョウ・サカザキとロバート・ガルシアの超必殺技で、リョウの「“覇王翔吼拳”を使わざるを得ない」というセリフも有名である。

 格闘ゲームの基本は必殺技を出し合い相手の体力を削っていくものだが、『龍虎の拳』では、そこに“超必殺技”というものを加えた。この“超必殺技”は、今となってはあらゆる格闘ゲームに組み込まれている当たり前のシステムだが、これは本作が発祥だと言われている。

 “発動条件”や“難しいコマンド”をクリアすることで高火力の技を発動し、大差がついていても一発逆転の可能性を持たせ、ゲームの幅を広げたのである。

 覇王翔吼拳の発動条件は、途中のボーナスゲーム「超必殺技伝授」を成功させること。また、複雑なコマンドと発動までの長いモーションがあるため、バトル中に成功させるのはなかなか大変だった。

 最近の格闘ゲームでは、必殺技のコマンド入力は簡易化が主流だ。筆者も基本的にはその流れに賛成であるが、複雑なコマンドの入力に成功し、画面いっぱいに広がる覇王翔吼拳を出せたときの快感は確かに大きかったと思う。

■脱衣KO!? 大迫力の演出の数々

『龍虎の拳』は、演出面でもなかなか凝っていた。

 まず、キャラクター間の距離によってキャラクターの大きさが変わる“ズームアップ演出”。その後『サムライスピリッツ』などにも採用された演出で、距離によっては画面の半分近くキャラクターが占めることもあり大迫力だった。

 また、ダメージによって顔が腫れたり、サングラスやマスクが飛ぶといった“外見の変化”が起こるなど芸が細かいのも特徴だった。なかでも、キングとの対戦時には、必殺技以上でKOされると衣装が破れて下着姿にできるという、いわゆる“脱衣KO”というものもあった。

 これはのちの『龍虎の拳2』や、初期の『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズにも引き継がれた演出だ。強気な美形の用心棒キャラであるキングが脱衣KOすることで女性キャラだと判明し、その後の掛け合いでも「くやしいけど・・・私の負けよ・・・」と、急にしおらしい口調になる。

 思ってもみなかったこれらの演出は、当時の少年たちを盛り上がらせ、その心の内に何かを芽生えさせたことは間違いないだろう。

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