■少年雑誌の定番広告! 筋トレをサポートする『ブルワーカー』
『ブルワーカー』は、筋肉を鍛えるトレーニング器具だ。
ドイツのケルベル博士により考案され、1963年に発売以来全世界で1600万本も売り上げている。棒状の本体には2本のバネが内蔵されており、棒の両端をゆっくりと押すと大胸筋のトレーニング、ベルトを引くと三角筋などが鍛えられる機器だ。
筆者はブルワーカー自体は使ったことがないのだが、『少年ジャンプ』に毎号掲載されている広告を強烈に覚えている。広告の内容はこうだ。貧弱で細いヒロシが自信のなさをマッチョな友人に相談してみると、その友人はブルワーカーのおかげで屈強な体になれたということを知る。そこでさっそくヒロシもブルワーカーを試し、最終的には屈強な男になって女子にモテるという漫画広告だった。
今のようにネットがない時代、この広告を見てブルワーカーを購入した男性も多かったと思う。その証拠にブルワーカーは国内だけで150万本以上売り上げており、現在も進化したブルワーカーが販売されているようだ。昔も今も、マッチョな体に憧れる人は多いのだろう。
■ぶら下がれば健康になれると信じていた『ぶら下がり健康器具』
1970年~80年代にかけてブームを巻き起こしたのが『ぶらさがり健康器具』である。ブームの原因は日本体育大学教授の塩谷宗雄さんが“ぶら下がることは健康にいい”と提唱したのがきっかけだと言われている。
ぶら下がり健康器具は、当時、我が家にも置いていた。購入当初は家族がこぞって棒にぶら下がり、姉妹で何分ぶら下がっていられるかを競ったものである。子ども心に、“鉄棒遊びができればもっと楽しいのに”と思っていたが……。
しかし、ぶらさがる習慣を何年も続けた人は少ないだろう。多くの家で購入されたぶら下がり健康器具だが、そのほとんどが洗濯物干しやハンガー掛けになってしまったとも言われている。我が家でも購入後おそらく1年も経たないうちに、父のベルトや仕事の道具などが無造作にかけられ、すっかり物置になっていた……。
とはいえ、ぶら下がること自体には、腰痛や肩こりの改善、全身のストレッチ効果があるという説もある。健康器具はなくとも、鉄棒などを見かけたらぶら下がってみると良いかもしれない?
懐かしい昭和のブームを起こしたアイテムたち。手書きの年賀状が減っているためプリントゴッコは完全に事業が終了してしまったが、今回紹介したそれ以外のアイテムは、進化を重ねていまだ販売されている。たまには昔を思いだし、進化した懐かしいアイテムを手に取ってみても面白いだろう。