『プリントゴッコ』や『ブルワーカー』も…なぜかすごい認知度を誇った「昭和のブーム」の画像
『プリントゴッコ』懐かしい展(RISO)

 スマホをはじめ、多くの便利ツールが開発された令和の時代。反対に昭和時代は何をやるにしろ手間と時間が掛かったが、今となってはそれが良い思い出になっていることはないだろうか。ここでは、そんな昭和のブームを飾りつつ、いつの間にか消えていた人気アイテムを紹介したい。

■年賀状はこれで決まり『プリントゴッコ』

『プリントゴッコ』は1977年に理想科学工業より販売された家庭用簡易印刷機だ。ランプのフラッシュを利用して製版し、そこにあいた小さな穴からインクをすりつけて印刷する仕組みで、おもに年賀状の印刷機として広く普及した。

 筆者も小学生のころ、プリントゴッコで年賀状を作っていた。幼いころは親と一緒に作ったが、高学年にもなると1人で作成していた。

 製版をするには本体を思い切り押してランプをピカッと光らせる必要があるのだが、これを1人でやるのが怖かった。勇気を出してフラッシュさせてみると、これがかなりまぶしくて目に衝撃が走ったのを覚えている。

 また、プリントゴッコは使っているうちにインクが滲みやすい特徴もあった。辰年のときには“緑色のドラゴン”を作成したのに、刷っているうちに赤いインクが滲んで“赤いドラゴン”になってしまった記憶もある。それでも自分でぺったんぺったんと1枚ずつ年賀状を印刷したのは、昭和におけるノスタルジックな思い出である。

■小学生女子の必須アイテム! ただ編み続けるだけの『リリアン』

『リリアン』とは、おもに1970年代に小学生女子の間でブームになった手軽にできる編み機のことだ。大正時代に生まれた人造絹糸を用いて作られた手芸用の紐「リリヤン」を編んでいく手芸遊びなのだが、「リリアン」と称され、昭和の時代に女子の間で大ブームとなった。

 リリアンは、縄跳びの持ち手のような形とサイズで持ち運びしやすい玩具だ。当時、大流行していたので、友達たちと一緒にただひたすら編み続けていた……という人もいるだろう。

 しかしリリアンで作れるものは筒状の“細長い紐”であり、これといった使い道はないのだ。小学生のころにハマった筆者も、“もっと大きいサイズだったらマフラーができるのに……なんのために編んでいるだろう”と思いながら遊んでいた。できあがった紐は、何となく筆箱に入れていた記憶がある。

 ちなみにリリアンは昔ながらの手芸遊びとして、現在でもネットや100円ショップなどで販売されている。編み物には集中力を高めるマインドフルネス効果もあるそうなので、ストレスが溜まっている人はリリアンで頭をスッキリさせてみてはどうだろう。

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