今年9月13日に、1983年の『週刊少年ジャンプ』での連載開始から40周年を迎えた漫画『北斗の拳』(集英社)。
同作の魅力といえば、ケンシロウやラオウをはじめとする達人たちによる技と技のぶつかり合い。北斗神拳は秘孔をつくことで人体を破壊することができ、これによって多くのキャラが悲痛な断末魔を上げながらこの世を去っていった。悪行を重ねてきたものたちの最期ではあるが、背中から全身の骨が抜け出てしまう「北斗壊骨拳」や、指先から肘、腕、頭部と少しずつ砕けていく様を見せつけられる「北斗断骨筋」など、中にはとんでもなく残酷だった北斗神拳も少なくない。
それはまるで、「悪人に相応しい死を」ということで、これまでしてきた罪を償わせるかのようでもあり、あまりにも凄惨でインパクトある技の数々に、絶対に喰らいたくないと読者の背筋を凍らせるものも。今回は、こんな「死に方は嫌!」と震えてしまう北斗神拳を紹介していきたい。
■物語初期に登場した「交首破顔拳」
まずは「交首破顔拳」からだ。この技が披露されたのは物語序盤のダイヤとの戦いで、まだケンシロウがどのような強さを持っているのかもまだまだ謎が多かった状態。ダイヤは、キングが支配している村人を面白おかしく絞首刑にしており、そこに救世主として現れたのがケンシロウだった。
ダイヤはケンシロウを見るなり得意の棒術を披露。それに巻き込まれて部下が死んでしまうが、そんな棒術を見てもケンシロウは「スローすぎてあくびがでるぜ」と、全く動じない。そして棒を掴んで片手でダイヤを持ち上げて落とすと、首元の秘孔を突いてさらに顔面への膝蹴りを追加した。
おそらく膝蹴りで顔面の秘孔を突いていたのだろう。首元と顔面の秘孔を突く技こそが「交首破顔拳」で、喰らってすぐにダイヤの顔は真っ二つに引き裂かれて死んでしまった。
頭の先から鼻に歯に顎まで、丁寧に真っ二つに割れてしまったダイヤだが、二段階で秘孔を突くという、他の技と比べてもかなり手間のかかる北斗神拳ではないだろうか。強敵には通用はしなさそうだが、絶対に喰らいたくはない技のひとつだ。
■ただのチョップではない痛そう~な「岩山両斬波」
続いては『北斗の拳』でもかなり有名な必殺技のひとつである、強烈な手刀を相手の顔面に向かって放つ「岩山両斬波」。
単純な力技の攻撃に見えるかもしれないが、ケンシロウは通常の人間が30パーセント程度しか使えない潜在能力を100パーセントフルに引き出すことができる北斗神拳の達人。そのため筋力は常人の数十倍になっており、この技を喰らった相手の顔面は、まるで飴のように骨を砕かれて死んでしまう。
一度きりの登場が珍しくない北斗神拳の中で、作中で珍しく二度使用されているこの技。1度目はスペードの部下の雑魚キャラで、ケンシロウと力比べをした後に喰らってあっさりと死んだ。2度目は牙大王との戦いで、牙大王の「華山角抵戯」で鍛え上げられた頭部を砕いている。
この技で気になるのが技名に破壊の「破」ではなく、「波」という文字が使用されているところだ。本来は波動のようなもので相手を破壊する技で、遠当ても可能なのかもしれない。
実際に『北斗無双』など、ゲーム作品ではこの技は過剰な演出になっており、衝撃波によって敵キャラを吹き飛ばしている。ケンシロウの100パーセントフルのチョップを「至近距離で顔面で受けたら……」と想像しただけでゾッとしてしまう。