■あっさりやっつけたのに…「まさに炎の男よ」
ラオウが見せる冷徹な行動も、読み返すと面白いシーンがある。
コミックス１３巻「執念の炎！の巻」で、南斗五車星の１人であるシュレンは、ヒューイの仇を取るためラオウに戦いを挑む。まずはラオウの部下２人を得意の五車炎情拳で瞬殺。
そして「拳王 きさまも炎の中におのれの野望とともに滅びるのだ!!」と、攻撃を仕掛けるが、ラオウはいとも簡単にかわし、まずはシュレンの右手をつぶした後、右足もへし折る。
それでも執念を見せたシュレンは果敢に立ち上がり、自ら全身に炎をつけラオウに飛び掛かり「おおおあ!!」のセリフとともにラオウを燃やそうとする。しかしラオウはそんなシュレンの頭を掴み、あっさりひねって殺してしまうのだ。
闘志に燃えて戦いを挑んだものの、まったく相手にされずにあっけなく殺されてしまったシュレン。それなのに戦いを終えたラオウは「まさに炎の男よ…」と、賞賛するようなセリフを口にしている。褒めるならもうちょっと真剣に戦ってほしかったと思うのは、筆者だけだろうか……？
ちなみに今回紹介した登場人物の多くはＬＩＮＥスタンプでキャラクター化などもされており、人気の高さがうかがえる。
『北斗の拳』にはこのほかにもカニのような敵役の男が出てきたり、女装したでかいババアが出てきたりと、ユニークなキャラクターが多い。本作を読むときは、ぜひそれらのコミカルな登場人物にも注目してほしい。
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