■黒髪ボブの清楚系腹黒女子! 『ピーチガール』柏木沙絵役:永野芽郁さん

 2017年に公開された上田美和さんの『ピーチガール』。見た目とは裏腹に純情な女子高生・安達ももを主人公に、入り乱れた恋愛模様が見どころの作品となっている。

 本作で欠かせない存在なのが、ももの恋路を邪魔するライバル・柏木沙絵だろう。見た目がギャルのももとは違い、清楚な黒髪ボブの美少女として登場する沙絵。しかしその性格は極悪で、“友達の想い人を奪う”のが趣味というほどの小悪魔的存在だ。作中では、ももも沙絵の毒牙にかかり、散々な目に遭ってしまうのだった……。

 そんな沙絵を実写版で演じたのは、明るく無邪気な笑顔が魅力の人気女優・永野芽郁さん。沙絵とはかけ離れたイメージなのだが、作中では見る人をイラつかせるほどの“あざとさ”を発揮していた。

 当時の舞台挨拶では、永野さん自身が思わずもも役の山本美月さんに公開謝罪してしまうほどの悪行の数々……ぜひ作品を見て、その目で確認していただきたい。

■ある意味“あざとい”お姉さん!? 『めぞん一刻』音無響子役:伊東美咲さん

 2007年に実写ドラマ化された高橋留美子さんの『めぞん一刻』は、若くして夫を亡くした未亡人・音無響子と浪人生・五代裕作のラブストーリーを中心に「一刻館」での日常を描いた作品だ。

 ドラマ版で響子を演じたのは伊東美咲さん。そして相手役の五代を演じたのは、一般男性からオーディションで選ばれた中林大樹さんだった。当時『電車男』などで大注目されていた伊東さんと、本作にて俳優デビューとなった中林さんの初々しさが、『めぞん一刻』の雰囲気にとても合っていたように思う。

 当時、多くの男子たちの憧れだった響子。本作で“あざとい”といえば七尾こずえをあげる人も多いのだが、意外と響子も“あざとかわいい”キャラとして知られている。彼女は自分を想ってくれる五代に対して“つかずはなれず”の態度をとり、亡き夫を想いながらも彼をはっきりと拒否することもない。

 そんな曖昧な態度から、取り方によっては“あざとい”と思われてしまうキャラなのだが、とはいえ、伊東さんのような美しい女性なら、手のひらで転がされてもかまわないと思えてならない……。

 

 いろいろな“あざとさ”を見せてくれた漫画のキャラたち。名作の小悪魔キャラを忠実に再現していたり、原作ファンへ配慮しつつぶっ飛んだ演技を見せてくれたりと、さまざまな角度からファンを楽しませていた。

 そして“あざとかわいい”彼女たちは、その美貌や言動から作品に花を添え、物語になくてはならない存在となっている。

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