■不気味さを併せ持つロボ超人「ウォーズマン」

 最後は、そのロビンマスクに鍛え上げられたウォーズマンを紹介する。

 ロシア(旧ソ連)出身のウォーズマンは機械の体をもったロボ超人で、超人強度は純粋な正義超人としてはトップクラスの100万パワー。“戦う機械(ファイティングコンピューター)”とも呼ばれ、超人としての有能さが目立つ一方、「……こ…こわい……」と戦闘中に弱音を吐いたり、不遇な少年時代の記憶で苦しんだりと、ときどき弱い一面も見せる魅力あふれるアイドル超人である。

 しかし、彼も初登場となる第21回超人オリンピックでは、相当な残虐なファイトを繰り返している。1回戦でティーパックマンをスクリュードライバーで惨殺して頭の紅茶を飲み干し、2回戦ではペンタゴンの翼をもぎ取り、準決勝ではラーメンマンと金網リングでの棺桶デスマッチで圧勝。このときの戦いで脳に大きなダメージを負ったラーメンマンはしばらく植物状態となり、復活以降も古傷とトラウマに長く悩まされることとなった。

 さらに決勝のキン肉マン戦では、笑いながら戦う“ウォーズマンスマイル”を見せるなど、初期にはワル以上の不気味さも見せていた。

 

 今回は『キン肉マン』に登場する正義超人たちの初期のワルな姿を紹介してきた。初期こそワルだったものの、いずれも超人たちもキン肉マンとの戦いを通し友情が生まれ、その後は正義超人・アイドル超人としてクリーンなファイトで活躍している。

 しかし、ウォーズマンなどは戦いが激化すると“ウォーズマンスマイル”を出し、かつての残虐なファイトを見せることもある。もちろん、正義超人として友情を重んじ、力を合わせ正々堂々戦う彼らも魅力的なのだが、残虐ファイトで相手を痛めつけるワルな姿もカッコいいと思ってしまうのは筆者だけではないはずだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3