■ヘナモンと呼ばれる妖怪たちとの交流を描いた『カスミン』

 最後に、2001年NHK教育テレビで放送された『カスミン』を紹介する。3シリーズ全78話が放送され、第3シリーズの放送時間は『天才てれびくん』のすぐあとだったこともあり、続けて観ていた子どもも多かったのではないだろうか。

 現代の日本を舞台に、小学4年生の少女・春野カスミが、下宿先である霞家の“ヘナモン”と呼ばれる妖怪たちとの奮闘と交流を描いたホームドラマファンタジー。『おジャ魔女どれみ』シリーズと同時期に放送されていたが、実はどちらも人気アニメーターである馬越嘉彦さんがキャラクターデザインを担当しており、ポップな絵柄が特徴だった。

 また、由紀さおりさんと安田祥子さんが担当したオープニングテーマ、エンディングテーマは、どちらも少し切なさのあるしっとりした曲調で良い意味で“アニメっぽくない主題歌”であったのを覚えている。

『カスミン』は、ほのぼのとした雰囲気で大人も子どもも安心して見られる作品というのが大方の評価だが、なかには、子どものころ怖くて見られなかったという人もいて、不思議さを持つ作品だった。

 

 今回は『おジャ魔女どれみ』シリーズ、『プリキュア』シリーズの陰に隠れてしまった懐かし名作アニメを紹介してきた。

 いずれの作品もそれぞれに個性があり、作り手の思いがあった。結果こそ、超人気シリーズには及ばなかったものの、当時たくさんの子どもたちを楽しませていたことは間違いない。

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