『明日のナージャ』や『カスミン』も…『おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』の狭間で忘れられた“懐かしい名作アニメ”の画像
『明日のナージャ』vol.8(マーベラスAQL)

 日曜朝の思い出と言えば、「『おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』だった」という人も多いのではないだろうか。“魔法少女もの”として一時代を築いた『おジャ魔女どれみ』シリーズ、現在20作目となる『ひろがるスカイ!プリキュア』が放送中の『プリキュア』シリーズ。両方とも非常に人気の高いアニメシリーズである。しかしその一方で、この両人気シリーズの狭間で残念ながら忘れられてしまったアニメも存在する。

 そこで今回は、この2作品の陰に隠れてしまった知られざる名作アニメを紹介していく。当時を思い出しながら懐かしく読んでいただきたい。

■母親探しの旅と恋愛を描いた『明日のナージャ』

 まずは、2003年放送の『明日のナージャ』。本作は、前番組が『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』、後番組が『ふたりはプリキュア』で、残念ながらまさに“狭間”となってしまった作品だ。
『おジャ魔女どれみ』シリーズ、『プリキュア』シリーズが、現代の日本を舞台にした“魔法少女もの”である一方、『明日のナージャ』は20世紀初頭のヨーロッパとエジプトを舞台に、主人公・ナージャの母親探しの旅と恋愛を描いた、“歴史大河アニメ”と呼べる作品だった。

 しかし、その作風が日曜朝の児童層には受け入れられず、8月の平均視聴率が5.2%と日曜8時30分枠のアニメの過去最低記録を更新してしまうなど、終始視聴率低迷に苦しみ全50話で終了する。

 このように日本では厳しい結果となった『明日のナージャ』だが、海外での評価は意外と高い。とくに劇中音楽は人気があったようで、海外からの分配金額がもっとも多かった作品に与えられる“JASRAC国際賞(2008年度)”を獲得しているなど、実は隠れた名作だと言えるだろう。

■バトンを使って魔法『Cosmic Baton Girlコメットさん☆』

 次に、2001年放送の『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』を紹介しよう。本作は、昭和の時代に放送されたテレビドラマ『コメットさん』を原案として制作されたアニメで、全43話が制作された。

 現代神奈川県鎌倉市をモチーフに、ハモニカ星国の王女コメットが、逃げ出したタンバリン星国の王子を探すという魔法少女もの。子ども向けアニメの枠にとらわれず映画的な演出を積極的におこなっており、日常表現なども細かく描かれていた。

 その反面『おジャ魔女どれみ』シリーズ、『プリキュア』シリーズと比べると、アニメとしての派手さを欠いていたことは否めない。制作サイドもそういう理解があったのか、コメットさんの能力のバージョンアップや恋愛要素などを追加し巻き返しを図るが、最終的には10カ月で終了となった。

 番組終了後の「新世紀東京国際アニメフェア21」では、人気投票部門で『千と千尋の神隠し』『おジャ魔女どれみ』と並び人気作品賞を受賞。さらに魔法にバトンが使われていたことで、バトンに憧れる女の子が増えたとされるなど、確実に一定のファンを獲得していただけに少し惜しい作品であった。

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