最近のバトル漫画は、男女かかわらずに戦闘で活躍する姿が描かれた作品が多い。筆者は女性であるため、かっこいい女性キャラに憧れるし、より感情移入できて作品を楽しめるようになった。そこで、今回は人気バトル漫画で、勝敗を左右した男前すぎる女性キャラのセリフを紹介。筆者の好きな女性キャラの中でも、特に心に刺さったセリフを選出した。
※以下には漫画『進撃の巨人』『鋼の錬金術師』『鬼滅の刃』の一部内容に触れています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■『進撃の巨人』ミカサ・アッカーマン「マフラーを巻いてくれてありがとう」
まずは諫山創氏の漫画『進撃の巨人』からミカサ・アッカーマン。ミカサといえば、主人公・エレンのことを好きすぎるヒロインキャラだが、アッカーマン一族という人間のまま巨人の力の一部を引き出せる一族の血を引いているため、戦闘能力も非常に高い。
彼女はヒロインというポジションながら、主人公であるエレンを守るために調査兵団に入り、何度も敵の前に立ちはだかった。しかし、壁外での戦闘で巨人に囲まれ、絶体絶命の危機に陥ってしまう。ミカサは恩人・ハンネスを殺されて絶望したエレンのもとへ。そして、涙ながらに伝えたセリフが「私と…一緒にいてくれてありがとう 私に…生き方を教えてくれてありがとう …私にマフラーを巻いてくれてありがとう…」というものだった。
最期かもしれない瞬間に、エレンに微笑みながら感謝を伝えたミカサのこの表情に、多くの読者が心を掴まれたのではないだろうか。
そして、この言葉を受けたエレンは「そんなもん 何度でも巻いてやる これからもずっと オレが何度でも」と伝えたあと、一時的に始祖の巨人の力が覚醒。巨人を操り、危機を脱したのだった。
ミカサにその意図はなかったと思われるが、絶望したエレンに最後に抵抗する気力を与えた。結果的に、物語の進展に大きく影響したセリフだったといえるだろう。
■『鋼の錬金術師』リザ・ホークアイ「お願いです大佐、貴方はそちらに堕ちてはいけない…!」
荒川弘氏の漫画『鋼の錬金術師』で描かれたこのセリフは、「焔の錬金術師」ことロイ・マスタング大佐と人造人間(ホムンクルス)の一人であるエンヴィーとの戦いで登場したもの。マスタングは、マース・ヒューズの仇を非常に憎んでいたのだが、この戦いでその仇こそエンヴィーだと知って激昂。怒りと憎しみのあまり、エンヴィーを半死半生になるまで焼き尽くし、止めを刺そうとする。
そのとき、主人公のエドワード・エルリックやスカーからも復讐からの行為を制止されるのだが、最後に憎しみの焔を鎮火したのは、部下であるリザ・ホークアイ中尉の言葉だった。
「今の貴方は国のためでも仲間を助けるためでもない!! “憎しみを晴らす”ただそれだけの行為に蝕まれている!!! お願いです大佐 貴方はそちらに堕ちてはいけない…!」リザはマスタングを止めたのち、自らも死を選ぶことを宣言。その言葉を受けたマスタングは「それは困る 君を失う訳にはいかない」「私は大馬鹿者だ 銃を下ろしてくれ中尉 すまなかった」と謝罪したのだった。
リザの必死の説得がなかったら、マスタングの暴走は止まらずに在るべき姿ではいられなかっただろう。リザとマスタングの絆がより鮮明に描かれたシーンだ。