■強度が上がる? 「焼き入れ」
改造がさらに進んでいくと、見た目から内部のパーツにもだんだんこだわりが出てきて、シャフトを火で炙る「焼き入れ」などもやった。
ミニ四駆には、タイヤとホイールを支える「ドライブシャフト」と、駆動力を伝える「プロペラシャフト」と呼ばれる"鋼の細い棒状の部品"がある。そのシャフトが少しでも曲がっていると、モーターの力がホイールにうまく伝わらず速く走れない。よってシャフトを炙り鋼を硬くし、しっかりと力を伝えようとするのが、この「焼き入れ」の目的だった。
この改造は火を使うので、周りの大人の目を盗みながら(!?)の作業だった。ライターやガスコンロなどを使い、シャフトが赤くなるまで熱し水に入れて締める。銀色だったシャフトが黒く変色し、いかにも硬そうでなんだかマシンが速くなりそうな気がしたもの。しかし当時、この『焼き入れ』の効果をスピードで実感することはまずなかったのだが……。
今回は、昭和の子どもたちが熱狂したミニ四駆の"魔改造"あるあるを思い出とともに振り返ってみた。小学生当時は、『コロコロコミック』や関連本を参考に、友だちの間での情報交換や、限られたお小遣いのなかでの、正解がよくわからない試行錯誤の改造だったように思う。
現在は、インターネット上でたくさんの改造方法が紹介され、いろいろなパーツも比較的入手しやすくなった。しかし、"自分好みのマシンを作る"というミニ四駆の楽しみ方の本質は今でも変わっていない。あなたも40周年を迎えたミニ四駆を、もう一度楽しんでみてはどうだろうか。