■衝撃的なのに肉体美に惚れぼれ!?『変態仮面』鈴木亮平

 2013年に公開された映画『HK/変態仮面』は、あんど慶周さんの漫画『究極!!変態仮面』の実写化。女性の下着を仮面のように装着することで超人パワーを手にし、次々と悪者たちをやっつけていくというなんとも“ぶっ飛んだ”設定で描かれている。

 両親からの遺伝で“変態パワー”に目覚める高校生・色丞狂介を演じたのは、本作で脚光を浴びることになった鈴木亮平さんだった。変態仮面は原作で露出が多く、肉体美も魅力のキャラクターだ。

 そんな主人公を演じるため、鈴木さんは脂肪を削ぎ落とし筋肉を増量させるという肉体改造を決行。結果、ほとんど裸のような際どい衣装でも、なぜかかっこいい“変態ヒーロー”が見事に誕生していた。

 鈴木さんにとって大きな転機となった本作。普段の温厚で男らしい印象とはまた違った彼の魅力を味わえる作品になっている。

■腹筋バキバキの美しすぎる姿に驚愕!『今際の国のアリス』山下智久

 麻生羽呂さんの漫画を実写化した『今際の国のアリス 』は、2020年から動画配信サービス・Netflixで配信された。大人気となった本作は、2022年に続編のシーズン2も配信されており、日本だけでなく海外でも視聴ランキングに入るなど大きな反響を呼んでいる。

 そんな本作で衝撃的な登場を果たしたのが、山下智久さんだった。彼が演じたキューマはシーズン2で重要なキャラクターなのだが、“ヌーディスト”であり、終始服を着ることがない。一糸まとわぬ姿で平然と過ごすという、“変態”と言わざるをえない役柄なのだ。

 キューマを演じるにあたって、元々筋肉質だった体をより作り上げたという山下さん。本作について佐藤信介監督が語ったインタビューでも、「あの肉体はもちろんCGじゃないですが、まるでCGのように完璧です(笑)」と完成度の高さが評価されていた。

 違和感がありすぎる姿なのに、なぜかカリスマ性を感じるほどかっこいいキューマを演じた山下さん。際どい役の出演オファーを快く受け、体を徹底的に作り込んで撮影に挑むという彼のプロ意識の高さもあって、ただの“変態”ではない役になりえたのではないだろうか。

 

 こうして作品を振り返ってみると、どんな姿であれ高い意識を持って演じたキャラは、“変態”であってもかっこよく見えてしまうのかもしれないと思う。その証拠に、これらの作品が彼らにとって大きな転機になったことは間違いないだろう。

 作品に真摯に向き合い、そのときの全力を尽くすというそれぞれの俳優魂がひしひしと伝わる作品ばかりだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3