漫画やアニメにはここぞ!という場面で時間限定での必殺技を出すキャラがいる。肉体に負荷を掛けてしまうゆえに数分しか保たないものもあるが、リスクなしにその時間だけは無敵になるような技もある。
たとえば『ドラゴンボール』の「フュージョン」などが良い例で、制限時間である30分以内なら数倍の力を発揮することができ、成功すればリスクはほとんどない。そんな便利な能力ばかりではないが、「時間制限のある技」と聞くとなぜかワクワクしてしまう読者は多いのではないだろうか。
そこで今回は、短い時間ながら最強の技を披露してきた漫画のキャラを紹介したい。
■7分間オールラウンダーとなった『黒子のバスケ』黄瀬涼太
まずは藤巻忠俊氏によるバスケットボール漫画『黒子のバスケ』(集英社)に登場する黄瀬涼太。黄瀬はキセキの世代のひとりで、目にしたプレーを瞬時にコピーすることのできる類まれな運動能力を持つ選手である。
彼は中学時代に、超一流プレイヤーの同級生の動きを見ており、その全てをコピーすることが可能に。それが「完全無欠の模倣」だ。
青峰の緩急を効かせたドリブルや型のないシュート、緑間の高弾道3Pシュートや紫原の守備、赤司の天帝の目による未来視や黒子の加速するパスなどを見事に再現し、ウィンターカップ準決勝での誠凜戦ではひとりで5人分の活躍をするという大活躍を見せる。
完璧なオールラウンダーではあるが、これほどの運動量をずっと維持することなどできない。7分が限界だった……。
バスケの試合時間から考えると7分という時間はかなり大きく、逆転にも成功しているが、それでも結果的に敗退。黄瀬は器用貧乏に見えてしまうかもしれないが、組むメンバーによって大きく変わるように思える。司令塔がいて、センターがリバウンドをしっかりと取ってくれさえすれば、十分に活躍できる選手だろう。
■4分11秒無敵になる『呪術廻戦』秤金次
芥見下々氏による『呪術廻戦』(集英社)に登場する秤金次もかなり凄い。
秤はそれまでの呪術師の常識を覆すような特殊なキャラで、それがパチンコの演出が展開されるという領域展開「坐殺博徒」を使うこと。
大当たりすると「4分11秒間」は無双状態となり、あらゆる攻撃を受けたとしても一瞬で回復してしまう。つまり不死に近い状態となるのだ。しかも呪力は無限に湧き上がる……。かなり反則的な能力といえるだろう。
これまでこのような特異な能力が登場しなかっただけに、秤の存在は異例。しかもその力は乙骨に「ノッてる時は僕よりも強い」と言わせるほどで、最強の呪術師のひとりである鹿紫雲一と対等以上の戦闘をしていた。
とはいえ、パチンコを基準にしているため大当たりしない場合もある。もし、強敵を前に大ハズしをした場合、秤はあっさりと敗北してしまうかもしれない。