1990年代『週刊少年ジャンプ』(集英社)を代表する人気作『地獄先生ぬ~べ~』(原作・真倉翔氏、漫画・岡野剛氏)。小学校の教師にして霊能力者である、“ぬ~べ~”こと鵺野鳴介やその生徒たちがさまざまな妖怪と騒動をくり広げる本作は、2023年8月に連載開始30周年を迎えた。
集英社はこれを記念して、両作者のおすすめエピソードを厳選した『地獄先生ぬ~べ~ 30周年記念傑作選』を各電子書籍サイトにて無料配信中だ。
傑作選は、怖い妖怪の話が詰まった「ガチホラー編」、玉藻やゆきめといったキャラがメインの「人気キャラ編」、そしてお色気満載の「セクシー編」と、3冊に分かれている。本作はかなり過激なサービスショットの多さでも有名だが、今回は「セクシー編」のなかから当時の少年たちをドキドキさせた珠玉のお色気エピソードをいくつか紹介しよう。
■ジャンプのあのマークで自主規制! 「妖怪あかなめの巻」
まずは原作第55話「妖怪あかなめの巻」から。町中のお風呂が突如水垢まみれになる怪奇現象が発生し、稲葉郷子、細川美樹ら5年3組の生徒たちが銭湯に行くお話だ。
「セクシー編」に選ばれるだけあり、気になる女湯の様子がバッチリ描かれている。郷子や美樹だけでなく、ナイスバディな律子先生が大きなお風呂でリラックスする一幕は、かなり刺激的だった。
極めつきは、女湯に妖怪あかなめが出現して大騒ぎになるシーン。パニックになった女子たちが、女湯からあられもない姿のまま飛び出してくるのだが、『週刊少年ジャンプ』を象徴するあの海賊のマークが、身体を隠すように描かれている。
ちなみに、このジャンプマークで大事なところをガードする描写は『ぬ~べ~』のお色気エピソードでお決まりの演出だ。本作を語るうえで欠かせないマークといえるだろう。
ちなみにジャンプマークをモザイク代わりに使うネタは、当時のジャンプ編集部から「こういう悪ふざけならどんどんやってくれ」と太鼓判を押されていた、と、30周年記念インタビューにて岡野氏が明かしている。
■ギャップ萌えのはしり? 「精霊パウチの巻」
次に紹介するのは、原作第133話「お色気妖怪・精霊パウチの巻」だ。タイトルから察しがつくかもしれないが、こちらもかなり際どいエピソードである。
童守小学校の職員室に届けられた荷物をぬ~べ~が開けると、そこには小人サイズの女精霊「パウチ」の姿が。パウチはいわゆる淫魔であり、とりつかれた女性はたちまちいやらしい気分になってしまう。実に『地獄先生ぬ~べ~』らしい妖怪である。
ぬ~べ~から逃れたパウチが狙ったのは、5年3組でもっとも大人しい女子生徒、“のろちゃん”こと中島法子だ。普段は内気な女の子であるのろちゃんが一転、胸元の開いたボディコンを着こなすお色気女子に大変身。
スタイルは抜群で、クラスの男子たちは新生のろちゃんに夢中になるのだ。(ところで小学校でのボディコンって校則違反なんじゃ……)
大人しくかわいらしいのろちゃんがセクシーな肉食系女子になるこの話は、見た目のみならず内面で読者を誘惑したエピソードだ。なかには、女の子の意外な一面にキュンとくる「ギャップ萌え」に目覚めた人もいるのではないだろうか。