■常に冷静沈着なポーカーフェイス…『NARUTO-ナルト-』油女シノ

 1999年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された岸本斉史氏の『NARUTO-ナルト-』は、今もなお新たな世代の冒険が描かれ続けている、大人気忍者アクション漫画である。

 主人公のナルトをはじめ、作中ではさまざまな“忍術”を駆使して戦う忍者たちが登場するのだが、なかでも“丸いサングラス”をかけ、どこか妖しい雰囲気を身に纏ったキャラクターが“木ノ葉隠れ”の油女シノだ。

 第二部では、フードをすっぽりとかぶっていることが多く、衣服で口元を、そしてゴーグル状になった“丸いサングラス”で目元を隠したその姿は、登場キャラたちのなかでもとくに“忍者然”としているような気がする。

 非常に寡黙で滅多に感情を表に出さないポーカーフェイスなシノは、常に冷静沈着に物事を判断し、一団の司令塔として活躍する場面も少なくはない。だが一方で、自身の影が薄いということがコンプレックスにもなっており、仲間外れにされると露骨にすねて落ち込むなど、可愛らしい一面も見せていた。

 そんなシノが得意とするのは“蟲”を操る忍術で、一族に伝わる“寄壊蟲”を自在に操作することで、攻撃はもちろん防御まで幅広く対応することができる。

 この“寄壊蟲”は、忍術を発動するために必要となる“チャクラ”を喰らう性質を持っていることから、相手にけしかけることで対象の戦闘能力を大幅に削ぎ落とすことができる。

 蟲を操作するというどこかおぞましい技を使いこなす反面、常に戦況を見渡し、攻守において的確に立ち回るその姿は、味方にとっては非常に頼もしい存在といえるだろう。黒く丸いサングラスが“忍者”という存在と絶妙にマッチした、寡黙ななかに人間臭さを併せ持ったキャラクターだ。

 

 丸いサングラスといえば、身につける者のコーディネートが試される、非常に難しいアイテムでもある。スーツに合わせる形で、ロックバンドのボーカルとして、忍者の装備として……作品ごとに異なった形で発揮されるキャラクターたちのセンスに、ぜひ注目してみてほしい。

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