■『宇宙戦艦ヤマト』勝気なエースパイロット森雪・黒木メイサ
最後に『宇宙戦艦ヤマト』初の実写映画作品である『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010年公開)から、森雪を演じた黒木メイサさんを紹介する。
本作は1974年の松本零士さん原作アニメ『宇宙戦艦ヤマト』から、かなり変更点があったことも当時から話題であった。たとえば、一升瓶を抱えたオヤジ医師だった佐渡先生が、高島礼子さん演じ"色っぽい女性医師"になっていたことが挙げられるだろう。
そして、黒木メイサさんが演じた森雪も変更されたキャラの一人で、アニメでは生活班長兼レーダー手というどちらかというとサポート的なポジションだった彼女が、本作では戦闘班・ブラックタイガー隊のエースパイロットと、最前線で戦う現代風の女性像へアップデートされていた。
原作の森雪は母性と優しさが溢れるキャラだったが、実写版は非常に勝気なキャラで、クールビューティーが魅力の黒木メイサさんにはハマり役だったと思う。印象的な黄色いコスチュームもカッコよく着こなしていた。
また、その性格と過去の出来事のせいで、当初は木村拓哉さん演じる古代とも対立していたが、最終的にはお互いを認め合い、原作以上の劇的なラブストーリーが展開されたことも話題となった。
今回は、女優たちが見せた「懐かしアニメの憧れのヒロイン」を3つ紹介してきた。アニメのヒロインは、原作ファンにとっては特別なもの。ゆえに、実写化のヒロインがイメージと異なると批判的になることも当然だろう。
しかし、いずれの女優も原作ファンの期待に応えつつ、役者としてそのキャラを解釈し、それぞれの魅力をプラスしていたように感じる。次に実写化されるアニメヒロインも楽しみだ。