あなたの周りにも、常に冷静で無駄なことはしゃべらない「無口キャラ」はいるだろう。無口キャラは普段口数が少ないだけに、いざ発した一言に重みがあり、ときにハッとさせられることもある。
漫画やアニメにも多くの無口キャラがいるが、なかにはたった一言だが、読者や視聴者に強烈な印象を残すキャラも少なくない。今回は、そのなかから厳選して無口キャラの名言・金言を紹介したい。
■『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』流川楓「惜しかったな てめーにしては」
まずは、井上雄彦さんの『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』から。湘北高校のクールな無口キャラと言えば、やはり流川楓だろう。流川は無口に加えてぶっきらぼうなので、自校他校かかわらず選手たちから生意気だと反感を買うことも多い。
そんな流川だが、コミック１１巻「マグレだとしても」で、翔陽戦後半、見事なダンクでゴールを決めたように見えたがオフェンスファウルで退場になった主人公・桜木花道に対し、「惜しかったな てめーにしては」と、彼なりの最大級の賛辞で讃えている。
確かに、このときのダンクも素晴らしく、初心者なのにリバウンダーとしての才能を開花させ、試合の要所で目を見張る活躍を見せていた桜木。普段は犬猿の仲である２人だからこそ、流川のこの一言には、彼のバスケに対する真摯さが見えたように思う。
■『新世紀ヱヴァンゲリヲン』綾波レイ「あなたは死なないわ…私が守るもの」
無口キャラと言えば、庵野秀明さんが監督を務める『新世紀ヱヴァンゲリヲン』シリーズの綾波レイを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。もう１人の活発なヒロインである惣流・アスカ・ラングレー（『ヱヴァンゲリヲンエヴァンゲリオン新劇場版』では式波・アスカ・ラングレー）とは対照的に、ミステリアスで魅力的な無口キャラだ。
その綾波は、テレビシリーズ第６話「決戦、第３新東京市」ヤシマ作戦決行前、主人公・碇シンジが「これで死ぬかもしれない」と吐いた弱音に対して「あなたは死なないわ…私が守るもの」と告げる。
普段の綾波らしい落ち着いた口調であったものの、そこには強い意志を感じた。実際作戦では敵砲撃から盾になり、ボロボロになりながらもシンジを守り切っている。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序』でも、少し設定は異なるものの、同様のシーンがあり、綾波レイを象徴する一言と言えるだろう。
■『ドラゴンボール』人造人間１６号「正しいことのために た…戦うことは罪ではない…」
鳥山明さんの『ドラゴンボール』にも１６号という寡黙な人造人間が登場する。１６号は、ドクター・ゲロによって孫悟空抹殺を目的に作られたが、自然や動物を愛し、争いを好まない性格だった。作中、悟空には「くらいやつだな こいつ……」と言われるほど落ち着いた無口キャラだ。
コミック３４巻「１６号の秘密兵器」で、１６号はセルを巻き込んで自爆しようとするも失敗し、体をバラバラにされてしまう。その後、悟飯の真の力を発揮させようと、セルはセルジュニアを使ってＺ戦士たちを痛めつけるのだが、その際、頭部だけになった１６号が「正しいことのために た…戦うことは罪ではない…」「せ…精神を怒りのまま自由に解放してやれ……」と悟飯を諭すのだ。
しかし、その１６号の頭を踏み潰し「できそこないめ」と言い放つセル。結果的にこれがきっかけで悟飯は覚醒した。戦況を大きく変えたひと言だったと言っても過言ではないだろう。
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