『キン肉マン』流行を取り入れた“昭和レトロを感じさせる名勝負“! キューブマンVSチエの輪マン、サタンクロスとの一戦もの画像
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 ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)による人気漫画『キン肉マン』。『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていたころ、本作では昭和レトロを感じさせる名勝負が展開されていた。当時は1980年代と昭和後期であり、時事ネタともいえる超人やリング設定がなされていたのだ。

 そこで今回は、『キン肉マン』に登場する流行を取り入れた名勝負を振り返ってみよう。

■令和でも十分難しい! 甲子園のラッキーゾーンで熱戦が展開した「キューブマンVSチエの輪マン」

 まずは、第21回超人オリンピックの決勝トーナメント、Bブロックの1回戦で対決したキューブマンとチエの輪マン。

 当時ブームになっていたのがルービックキューブで、こちらはまさに新時代のおもちゃ。一方の知恵の輪はいつの時代が発祥なのかもわからないくらい歴史が古い。ともに現代でも解くのが難しいおもちゃでもある。

 素人でも勝てそうな雰囲気のチエの輪マンだが、やはりルービックキューブを揃えるのは至難の技であり、キューブマンによって解かれてしまっていた。キン肉マンたちも呆れるほどの勝負だったのだが、筆者としても面白かったのは甲子園球場で試合がおこなわれているところだ。

 しかし、甲子園の観衆が盛り上がっていたのは阪神対巨人戦であり、外野のラッキーゾーンにリングを置く始末。いや、そもそもラッキーゾーンというのが懐かしい。今は撤去されているのだが、かつては多くの本塁打が放り込まれていた。

 そして、Bブロックの試合中にも2本のホームランが飛び込んでおり、キン肉マンの顔面とキングコブラに命中。しかも打者は筆者も大ファンだった掛布雅之さん。巨人から2本も打つとは、さすがはミスタータイガースだ。恐らく超人プロレスより野球の方が熱戦だったのだろう。

 そういえば掛布さんは連載が始まるころにセ・リーグの本塁打王に輝いており、時事ネタとしても最適だった。

■ 憧れのウォークマンか? カセットテープが懐かしい! 「キン肉マンVSステカセキング」

 次は「7人の悪魔超人編」で最初にキン肉マンと対決したステカセキングだ。当時の音楽といえば、ラジカセにカセットテープを差し込んで録音していた。音楽番組やラジオから流れる曲を静かに録るのだが、たまに母親の「宿題しなさい!」という金切り声まで入ってしまっていたものだ。

 さて、このステカセキングは相当強い。何と言っても正義超人の中でも最強クラスのウォーズマンを一発KOしているほどだ。

 ステカセキングはクラシックの「エリーゼのために」から落語までさまざまな音源を再生できる。さらに「超人大全集」というカセットテープは、セットすることで該当超人になり切れるのでまさに完全無欠。戦いの展開にもよるが、あのバッファローマンにも勝てそうな気がする。

 ステカセキングはラジカセというよりも、携帯音楽プレイヤーだったウォークマンがモデルといえよう。当時は高くて買えなかったが、外出先でも鞄やポケットに入れて音楽を楽しめるウォークマンには、かなり憧れたものだ。ラジカセも外出先で使えるが、なにせサイズが大きくて持ち運びに疲れてしまう。ウォークマンは電車でも聞けるし、持っている人が羨ましかったな。

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