『ONE PIECE』に『HUNTER×HUNTER』漫画のタコキャラ=良いヤツ説!? タコがモチーフになったキャラクター3選の画像
アニメ『HUNTER×HUNTER』DVD第33巻より

 犬や猫といった動物たちだけでなく、漫画にはしばしば「タコ」がモチーフのキャラクターが登場する。彼らは、個性的な外見とは裏腹に情に厚く仲間思いな性格として描かれることも多々あり、惹きつけられた人も多いのではないだろうか。そこで今回は、タコキャラ=良いやつが多い説を推すべく、タコがモチーフのキャラクターたちの印象的なシーンを振り返っていきたいと思う。

■天然でお人好しな人助けタコ『ONE PIECE』のはっちゃん

 まずは尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』から、アーロンパーク編に登場したタコキャラ・はっちゃん。はっちゃんはアーロン一味の幹部であり、ナミの故郷ココヤシ村を占拠していた魚人である。アーロン一味が崩壊してからは海賊を辞め、海上たこ焼き屋を開いた。

 はっちゃんは天然で憎めない性格をしている。海賊ながら根はお人好しで、アーロン一味の中でも温厚派だった。親友やアーロンがいたから、流れのままに海賊になったような節もあるように思う。

 そもそも、はっちゃんは本質的に人を助けるという行為に対して戸惑いや迷いがないキャラで、扉絵シリーズ「はっちゃんの海底散歩」でも、種族に関係なくさまざまな生き物を助け続けていく姿が描かれている。

 過去の行いを悔いたはっちゃんはナミにも謝罪し、何かと麦わらの一味の力になろうとした。人魚のケイミーを救おうとするルフィたちを止めて天竜人に撃たれたシーンでも、涙を流しながら「悪ィ事したからその報いだ」「ナミに…!! ちょっとでも償いをしたくて… おめェらの役に立ちたかったんだけども……やっぱりおれは昔から… 何をやってもドジだから……!! 本当にドジだから… 結局迷惑ばっかりかけて…ゴベンなァ~!!!」と怒るルフィをおさえる。 

 さらに、麦わらの一味がクマによって飛ばされた後、シャボンティ諸島に残されたサニー号を体を張って海軍から守っていた。海賊としてココヤシ村の人々を苦しめた事実はあれど、仲間想いで義理堅い性格だということがわかる印象的な場面だ。

■仲間想いで義理人情に厚い『HUNTER×HUNTER』のイカルゴ

 続いては冨樫義博氏の漫画『HUNTER×HUNTER』から、キメラ=アント編に登場したキメラ=アントのイカルゴ。見た目はタコそのものだが、タコを不細工だと思っているためタコと言うと頭を膨らませて全力で怒る。殺人に抵抗がないキメラ=アントが多いが、イカルゴは仁義や人情といった感情が強く、殺しを良いこととは思っていなかった。ゆえに、全編を通して人を殺していない。

 キルアとの出会いは、イカルゴの仲間に対する想いが描かれた印象的なシーンだ。キルアとの戦いで仲間の情報と命の取引を持ちかけられた際に、「仲間は売れねェ…!!」と自ら脚を斬り命を絶とうとしたのだ。

 そんなイカルゴの決意を買ったキルアは彼を救う。そして、戸惑うイカルゴに対し「かっこいいから 違うカタチで会えてたら、ツレになれたなって思うくらいな」と手を差し伸べたのだった。

 キルアに認められたことに喜びを感じたイカルゴはピンチの彼を助け、友情を深めていく。キメラ=アント討伐に動き出す中で、人間時代の記憶も取り戻していった。 

 イカルゴは仲間のために命を捨てることも惜しまない。自分より格上のウェルフィンと対峙した際も、「自分の命と引き換えのつもりなら…何て楽に引き金を引ける事か!!」と死を覚悟して仲間を守るために立ち向かった。

 自分の名前は思い出せないのにウェルフィンの本名は覚えていたイカルゴは、きっと人間の頃も他人への想いが人一倍強かったのだろう。仲間を想い仁義を貫くイカルゴは、もはやキメラ=アントではなく1人の人間のようだった。

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