領域展開、反転術式…どんどん難解になってきた『呪術廻戦』を作者の解説から読み解くの画像
『呪術廻戦』「懐玉・玉折/渋谷事変」DVD(東宝)

 芥見下々氏によるバトル漫画『呪術廻戦』。アニメ2期となる今期では「懐玉・玉折」編を終え、8月31日から「渋谷事変」編がスタートとなったばかりだ。

「領域展開」や「反転術式」など印象深いキーワードが多い本作だが、どれも難解なうえにさらっとした説明に留まっている。そこで、単行本の合間に書かれている作者の解説を参考にしつつ、今一度『呪術廻戦』とはどんな作品なのかを読み解いていきたい。

■「呪力」と「術式」

 まず、本作で多用される「呪力」や「術式」という言葉についておさらいしておきたい。
「呪力」とは、怒り、憎しみ、妬み、嫉みといった人間の負の感情が生み出すエネルギーのこと。どんな人間にもあるが、非術師は呪力のコントロールができず垂れ流しの状態になっており、それが積み重なって「呪霊」という化け物が発生する。

 対して「術式」とは、呪力を利用して特定の効果を生み出す型のようなものだ。たいていの呪術師は、生まれながらにして固有の術式を持っている。

 五条悟が挙げた例を参考にすると、呪力は電気、術式は家電のようなものだという。ドライヤーや電子レンジに電気を流すことによって、その家電特有の機能を使うことができる。それと同じで、術式に呪力を流すことで、その術式が持つ機能が発揮されるということだ。

■そもそも「領域展開」って何だっけ?

 次に、ちょっとしたブームにもなった「領域展開」という言葉について振り返ってみよう。

 本編で最初に「領域」という言葉が登場したのは、第6話「呪胎戴天」だった。宿儺の指を取り込んだ特級呪霊が、少年院の中にパイプだらけの工場のような空間を作り出す。これが「生得領域」。人間が生まれながらに持つ心の世界、いわばその人の体験や感情、人格、価値観などによって作られる、いわゆる“心象風景”のようなものだ。

 この「生得領域」に術式を与え、そこに呪力を流し込むことで心象風景を具現化する行為を、「領域展開」と呼ぶ。周囲に空間を構築するわけだから、呪力の消費量はすさまじい。その代わり、自分の領域内では術師のステータスが上昇し、発動した技は必中必殺になる。再び五条の例を借りると、ゲームの「バフ」みたいなものだという。

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