■全ての発端に『Gガンダム』キョウジ
さまざまな悲劇的エピソードがある大気圏突入だが、『機動武闘伝Gガンダム』においては、全ての悲劇の発端となっている。
本来は地球環境の回復のためのガンダムであった「アルティメットガンダム」を、軍が兵器に転用しようと計画。研究所を襲撃し、強奪を計った。
主人公ドモン・カッシュの兄であるキョウジ・カッシュは、アルティメットガンダムとともに軍から逃げるために大気圏へ突入。しかしそのときの衝撃によってプログラムが誤作動を起こしアルティメットガンダムが暴走、デビルガンダムへと変貌してしまう。そしてそのときにキョウジを生体ユニットとしてデビルガンダムへ取り込み「人類抹殺」に向けて動き出すのだった。
このことがきっかけとなり、ドモンがガンダムファイトに参加。同時にキョウジを見つける旅が始まる。そして、デビルガンダムは、倒すべき宿敵となるのだ。
■主人公が1話で量産機に敗北『ガンダムW』 ヒイロ
『新機動戦記ガンダムW』においては、主人公ヒイロ・ユイが第1話から悲劇に見舞われている。地球に降りるため、ウイングガンダムで大気圏突入中のヒイロに、OZの部隊が襲い掛かる。
大出力のバスターライフルでエアリーズを2機同時に撃墜。高笑いするヒイロだったが、直後にゼクスの乗るリーオーに抱きつかれ、着陸不可能に。ウイングガンダムはヒイロとともに海底に沈むこととなった。
主人公対ライバルキャラとはいえ、1話でガンダムが量産機にやられる事態となった。持ち前の頑丈さで生きて海岸へと打ち上げられるヒイロだが、常人であれば死んでいてもおかしくない出来事である。
あまりの急展開にネタにされがちだが、実は悲劇度は、歴代でも高いレベルではないだろうか。
記事内の悲劇的なエピソードの他にも、耐熱フィルムや、ビームロープの反動による大気圏突入、モビルダイバーゼーゴッグによる降下など、華々しいエピソードも多くある。大気圏突入エピソードは『ガンダム』シリーズとは切っても切れない、名エピソードの宝庫だ。